『必殺シリーズ』『怨み屋本舗』『善悪の屑』・・・ドラマや漫画として人気を博したこれらの作品には、一つの共通項があります。それは、何らかの事情で法の裁きを逃れた、あるいは裁かれたものの罪に不釣り合いな軽い刑罰だった標的を密かに裁く存在が出てくるということ。悲しいかな、罪を犯しておきながらのうのうとのさばる人間は、いつの世にも存在します。「誰かがあいつらに罰を与えてくれたらいいのに・・・」。法的な是非はともかく、そういう感情は誰しもあるでしょう。だからこそ、例に挙げたような作品が人気を集めるのかもしれません。
ただ、仕置き人稼業を扱った作品を探してみると、漫画か、もしくは時代劇が多く、現代を舞台にした小説は少ない気がします。設定上、絵的に映える展開が多かったり、時代劇の方が復讐代行を行いやすかったりするからでしょうか。ですから、この作品を読んだ時は、なんだか新鮮な気分でした。中山七里さんの『祝祭のハングマン』です。
こんな人におすすめ
復讐代行人が出てくる小説が読みたい人

愛とは決して後悔しないこと、最後に愛は勝つ、愛は地球を救う・・・愛に関する有名な台詞や歌詞、格言は数えきれないほど存在します。愛はキリスト教で最大のテーマとされていますし、日本においても、年齢や性別の枠を超えた深く広い慈しみの感情として捉えられることが多いです。お金や権力を求めるのは何となく卑しい気もしますが、<愛のため>というお題目があると、気高く誠実なもののような気がしますよね。
ミステリーやホラーのジャンルが好きで、<クローズド・サークル>を知らない方は、恐らくいないでしょう。単語を聞いたことがなくても、「外界と往来不可能な状況で事件が起こる様子を描いた作品のことだよ」と説明されれば、きっとピンとくると思います。嵐の孤島や吹雪の山荘、難破中の船・・・脱出困難な状況で怪事件が起き、「誰が犯人なのか」「次は自分が殺されるのか」と疑心暗鬼に駆られる登場人物達の姿は、多くのミステリーファンをハラハラドキドキさせてくれます。
鏡にだけ映る人影、無人の部屋から聞こえるすすり泣き、捨てたはずなのに戻ってくる人形・・・ホラー作品の定番といえる設定ですが、これらには共通点があります。それは<ないはずのものが在る>ということ。自分以外誰もいないはずなのに鏡に人影が映ったり、空室から人の声が聞こえたりしたとすれば、その恐ろしさは想像を絶するものがあります。
図書館大好き人間の私が、しばしば意識してしまうこと。それは<蔵書整理>です。本がきちんと整えられ、利用しやすくなるのは有難いのですが、時々、好きだった蔵書がなくなることがあるのです。汚れが激しいので処分されたのか、収納スペースに余裕がある別の図書館に移したのか・・・詳細は分かりませんが、再読しようと思った本が見つからず、データベースで検索して「ここの図書館に置いてない!この前まであったのに!」となった時の落胆は、何度も経験したいものではありません。
ミステリーやホラーの分野に登場しがちなアイテムといえば、鏡や鍵。それから、<絵>も結構な頻度でキーアイテムとなっている気がします。一枚の絵で一つの世界が表現できること、小説と違って視覚に訴えかけられることが多用される理由でしょうか。
コロナが流行り、自粛生活を強いられるようになってから、巷では猫ブームが起こったそうです。犬と違って散歩不要、過度に構ってやる必要もなく、マーキングの習性がないからトイレも楽、家にこもりきりの生活に癒しが生まれる・・・確かに一見、いいことだらけのように思えます。
「このトリックは映像化不可能!」。ミステリー小説等でしばしば目にするキャッチコピーです。叙述トリックをはじめ、小説の<文字を読む>という特性を活かしたトリックに対して用いられることが多いですね。ラストで世界が反転するようなどんでん返しが待っていることが多く、私も大好きなトリックです。
今まで知らなかった作家さんの存在を認知し、その面白さを知る。本好きにとっては無上の喜びの一つです。この<はいくる>のような読書ブログやレビューサイトの存在意義は、そうした喜びのために在るといっても過言ではありません。
私は本が好きですが、映画も負けず劣らず好きです。昔、家の近所に映画館やレンタルビデオショップがあったこともあり、一時は週に何度も映画鑑賞に出かけたり、興味のある映画のDVDを片っ端から借りたりしていました。おかげでバイト代が全然貯まりませんでしたが、今振り返っても、あれはあれで楽しかったです。