デスゲームもの、というジャンルがあります。これは、逃亡不可能な状況に置かれた登場人物達が、生死を賭けたゲームに参加する様子を描いたもの。生還者は一人だけと決められていたり、進行次第では全員生還も可能だったり、敗者は命ではなく社会的生命を奪われたりと、個性的な設定がなされていることが多いです。
けっこう古くからあるジャンルなのですが、日本で有名になったのは、高見広春さんの『バトル・ロワイアル』辺りからではないでしょうか。当初は<試合>としての側面が強かった気がしますが、段々とお遊び的なゲーム要素が強まり、ハリウッド映画の『SAW』シリーズ、金城宗幸さん・藤村緋二さんの漫画『神さまの言うとおり』、金沢伸明さんの『王様ゲーム』など、有名作品が次々生まれました。私自身も色々と読みましたが、これほど後を引く作品はちょっと他にないかも・・・・・櫛木理宇さんの『残酷依存症』です。
こんな人におすすめ
デスゲームが絡んだサイコサスペンスが読みたい人

近年、インターネット文化の発展ぶりは目を見張るものがあります。世に現れた当初は<調べ物をするのに役立つシステム>程度の扱いだった気がしますが、今やテレビや新聞、電話などに取って代わる勢いです。特に<技術があれば一般人でもテレビのような作品を作れる>という点から、ネット動画の数は日に日に増える一方。私自身、いくつか贔屓にしているチャンネルがありますが、中にはテレビ以上の企画力や構成力を感じるものもあって驚かされます。
私が子どもの頃、前世をテーマにした漫画やアニメが人気でした。その流れで、「自分の前世は何だったのだろう」と考えたことも一度や二度ではありません。外国人だったり、特殊な能力を持っていたり、異世界の住人だったり・・・今では<中二病>と呼ばれてしまうのでしょうが、あれこれ空想を巡らすのは楽しかったです。
創作の世界には、<群像劇>というストーリー手法があります。これは、特定の主人公を設けるのではなく、複数の主要登場人物がそれぞれ別の物語を紡ぎ、最終的に一つの結末に辿り着くスタイルのこと。グランドホテル形式、アンサンブル・キャストなどの呼び方をされることもあるようです。大ヒットを記録したラブコメディ映画『ラブ・アクチュアリー』形式のこと、と言えば、分かりやすいかもしれません。
<猟奇的>というのは、本来、<奇怪・異常なものを強く求める様子>を指す言葉です。現代では、もともとの意味から少し離れ、<残酷な><グロテスクな>という意味で使われることが多いですね。特に、遺体が激しく損壊されていたり連続殺人だったりする事件を<猟奇殺人>と表現するケースが多いと思います。
ホラー作品には、登場人物達を恐怖のどん底に突き落とすモンスターがしばしば出てきます。このモンスターの種類は、大きく分けて二種類です。一つ目は、<誰が><なぜ><どのように>モンスターになってしまったか、はっきり分かるタイプ。映画『13日の金曜日』シリーズに登場するジェイソンや、鈴木光司さんによる『リング』の貞子がこれに当たります。モンスターの正体やそうなった理由が明確に存在するため、登場人物達の謎解きを見るのも楽しみの一つです。
先日、<ジェントルゴースト・ストーリー>という言葉を知りました。意味は<優しい幽霊の物語>といったところでしょうか。人を祟ったり呪ったりしない、心優しい幽霊が出てくるほのぼのストーリーを指すそうです。こういう幽霊のことを、怪談研究家の東雅夫さんは<優霊>と訳したそうですが、実に名訳だと思います。
現実に起きた出来事とフィクションとをいかに上手く絡めるか。それは、面白い物語を作る上で重要な要素です。イエス・キリストがキリスト教の始祖であること、徳川家康が江戸幕府を開いたこと、ドイツにアドルフ・ヒトラーという独裁者が存在したこと。すべて歴史的事実であり、なかったことにすることはできません。
人あるところにドラマあり。一人の人間が存在すれば、そこには必ず悲喜こもごもが生まれます。それは創作物の世界においても同じこと。だからこそ、多くの人間達が集う場所は、様々なフィクション作品の舞台となってきました。
角川文庫、講談社、集英社、新潮社、岩波書店・・・・・日本には、様々な出版社が存在します。作家やジャンルと比べ、出版社を基準に読む本を選ぶという人は少ないかもしれませんが、意外に会社ごとにカラーが違って面白いですよ。図書館と違い、書店では出版社ごとに棚が分かれていることが多いため、時間をかけてぐるぐる見て回るのも楽しみの一つです。