ミステリー

はいくる

「先生と罪」 くわがきあゆ

学校というのは、良くも悪くも<閉ざされた場所>です。もっとのびのび開放的な場所であってほしい・・・と願う反面、成長途中の子ども達の個人情報と喜怒哀楽が入り乱れる場所である以上、あまり自由気ままというわけにもいかないのだろうなとも思います。この特殊性に馴染めればいいのでしょうが、受け入れられない生徒にとって、学校はただただ辛いだけの場所になりかねません。生きていくからには、誰しもある程度の我慢は必要なものの、図書室でも保健室でもいいから、悩める生徒の救いの場が一つでもあってほしいと心から思います。

もっとも、学校を辛いと感じる可能性があるのは、何も生徒に限った話ではありません。場合によっては、教師だって同様です。むしろ、賃金を得る立場だからこそ、生徒とは違う意味で過酷な状況に晒されることだって十分あり得ます。もちろん、どんな職業だって、遊びじゃないのだから、ある程度の受容と忍耐は不可欠。だけど、いくらなんでもこんな学校に勤めるのはかなり嫌かも・・・・・今回は、くわがきあゆさんの『先生と罪』を取り上げたいと思います。

 

こんな人におすすめ

学校を舞台にしたどんでん返しミステリーに興味がある人

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「3分で仰天!大どんでん返しの物語」 このミステリーがすごい!編集部

ミステリーやサスペンスのレビューを読んでいると、しばしばこんな感想を目にします。「キャッチコピーや帯にでかでかと<衝撃のどんでん返し>と書くのはやめてほしい」「オチにどんでん返しがあると分かると、逆にネタバレになる」。確かに、どんでん返しが仕掛けられていると事前に分かることで、「ということは中盤まで疑われている容疑者は真犯人じゃないのね」などという予想が可能になってしまいます。これをネタバレととらえる人もいるでしょう。

とはいえ、「私はどんでん返しが読みたいんだ!」と強く望む読者にとっては、こういうコピーはむしろ有難いものです。かくいう私も、「どういうどんでん返しがあるんだろう」と期待するのが好きなタイプ。なので、この作品は終始ワクワクしながら読みました。「このミステリーがすごい!」編集部による『3分で仰天!大どんでん返しの物語』です。

 

こんな人におすすめ

どんでん返しがあるミステリー短編集が読みたい人

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「氷河期のゴミ」 櫛木理宇

かつて日本には<就職氷河期>と呼ばれる時代がありました。これは、バブル崩壊の景気衰退により新規学卒者の就職が難しくなった時期のことで、年代としては大体一九九〇年代半ばから二〇〇〇年代前半。この時期に就職活動を行った結果、正社員としての就職先が見つからず非正規雇用で働かざるをえなかったり、その後中高年になってからも経済的困難を抱えるケースが続出しています。二〇〇〇年~二〇一四年頃の、ITバブル崩壊からリーマンショック後の時期も就職氷河期扱いされてはいるものの、その後の雇用回復の勢いから見ても、前者の方が深刻だと捉えられているようです。

創作界でも同様の認識なのか、小説で就職氷河期が扱われる場合、一九九〇年代半ばから二〇〇〇年代前半の時期を指すことが多い気がします。当ブログ内で取り上げた中山七里さんの『能面検事の死闘』や真梨幸子さんの『さっちゃんは、なぜ死んだのか?』でもそうでした。最近読んだ小説もその中の一つでしたよ。櫛木理宇さんの『氷河期のゴミ』です。

 

こんな人におすすめ

社会の理不尽さをテーマにしたミステリーに興味がある人

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「その嘘を、なかったことには」 水生大海

どの職業にも言えることですが、小説家の中には、意外な経歴をお持ちの方が少なくありません。クリエイティブな仕事は、やり様によっては<出勤せず、帰宅後に創作活動に励む>という就業形態が可能です。だからこそ、小説家稼業が軌道に乗るまで他の仕事をしたり、なんなら小説家として十分な実績を上げてからもダブルワークを続けたりする方も一定数いらっしゃいます。

この話題で私が真っ先に思いつくのは、『中陰の花』で芥川賞を受賞した玄侑宗久さん。臨済宗の僧侶であり、住職として勤める傍ら、執筆活動を行っていたそうです。それから、海堂尊さんや久坂部羊さんの医者、新川帆立さんの雀士なども、なかなか印象的な経歴と言えるでしょう。最近は、この作家さんの前職を知り、驚きました。今回は、水生大海さんの『その嘘を、なかったことには』を取り上げたいと思います。

 

こんな人におすすめ

<嘘>をテーマにしたイヤミス短編集が読みたい人

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「修羅の桜」 秋吉理香子

幼稚園受験、小学校受験、中学受験、高校受験、大学受験・・・学生時代には受験が何度かあります。<中学まで公立に行って、卒業後に就職>という進路を選ぶことも可能ですが、現代日本の事情から考えるに、割合としては少数派でしょう。どこかのタイミングで一度は受験を経験したという人の方が多いと思います。

これらの受験のうち、<親・家庭の負担>という意味では、中学受験が一番大変だそうです。中学どころか高校レベルの問題が出題されることもあり得る上、年齢的にも不安定で難しい時期。この時期の子どもに、受けないという選択肢もある試験へのやる気を出させ、長い時間をかけて膨大な量のカリキュラムをこなさせ、ベストコンディションで本番に臨めるよう伴走するのは本当に大変なんだとか。本人と同じくらい、親の馬力も試される場なのでしょう。今回は、お受験が大きく絡んだ作品を取り上げたいと思います。秋吉理香子さんの『修羅の桜』です。

 

こんな人におすすめ

中学受験が出てくるミステリーに興味がある人

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「3分で読める!ティータイムに読むおやつの物語」 このミステリーがすごい!編集部

私は下戸ですが、その分(?)、甘いものは大好きです。若い頃と比べると食べる量は落ちましたが、新作スイーツは欠かさず買いますし、飲食店でデザートメニューのチェックは必須。暇な時は、ウィキペディアの<各国のデザート>を読みながら、食べた気になってニマニマ悦に入っています。

そんな私にとって、絶対に必要な毎日の楽しみ、それが<おやつ>です。食事と違い、空腹を満たすよりは満足感目当てで食べることが多いため、各自の趣味嗜好がより強く出る気がするのですが、どうでしょうか?今回は、たくさんのおやつが出てくる作品を取り上げたいと思います。「このミステリーがすごい!」編集部による『3分で読める!ティータイムに読むおやつの物語』です。

 

こんな人におすすめ

甘いものがたくさん登場する短編集に興味がある人

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「私のせいではありません」 水生大海

<ストーカー>という言葉が社会に浸透して久しいです。認知度が高まるにつれて研究も進み、一体どういう存在をストーカーと呼ぶのか、どういう心理状態でストーキングを行うのか、具体的にどんな行動に出るのかなどといった部分も明らかになってきました。一昔前、ストーカーというと、<未練のある異性に付きまとう>というイメージが真っ先に浮かびがちでしたが、今では単純にそうとは言い切れません。性別・年齢・立場問わず、様々な状況でストーカーが発生し得るのが現状です。

ストーカーの一種として、<ギャラリーストーカー>というものが存在します。これは、画廊や美術館といった場所で、主に女性作家に付きまとう人物のこと。被害としては、会場に長時間居座って作家を拘束し、作品ではなく作家を撮影する、プライベートな関係を求めたりするといった行為がよく挙げられます。作家は客に対して強く拒絶しにくい立場ですし、会社員のような相談窓口がないことも多く、問題がこじれやすいそうです。今回は、ギャラリーストーカーが登場する作品をご紹介したいと思います。水生大海さんの『私のせいではありません』です。

 

こんな人におすすめ

・どんでん返しのあるミステリーが好きな人

・美術業界を扱った小説に興味がある人

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「スリーピング事故物件」 西澤保彦

ミステリーやサスペンスの場合、<真相解明に至る手がかり>がとても重要な要素となります。目撃証言、指紋、血液型、防犯カメラ、DNA、インターネットの検索履歴etcetc。舞台となる時代によって手がかりの質も変化していたりして、なかなか面白いです。

そうした手がかりの中で、時代を問わず最重要視されるのは<被害者本人の証言>ではないでしょうか。何しろ一番渦中にいる人物の証言なわけですから、重きを置かれて当然。とはいえ、暴行、傷害、殺人未遂などならともかく、殺人事件となると、被害者本人は死んでいるので証言を得ることはできません・・・・・と思いきや、予想外の手段でそれを可能にした作品がありました。今回は、西澤保彦さんの『スリーピング事故物件』を取り上げたいと思います。

 

こんな人におすすめ

多重解決ミステリーが読みたい人

オカルトが絡んだ物語に興味がある人

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「3分で読める!一日の終わりに読むお酒の物語」 「このミステリーがすごい!」編集部

実は私、お酒がまったく飲めません。若い頃は「練習すれば強くなる」という言葉を信じてせっせと飲んでいましたが、どれだけ経っても、一口二口飲んだだけで胸やけと眩暈のダブルパンチ。血縁者にも下戸が多いので、遺伝なのかもしれません。現在はすっかり諦めの境地に達し、お酒の場でもノンアルコールを貫いています。

ただ、こういう体質のせいもあってか、飲酒を楽しむことに対して憧れはあります。その点、小説の中なら、お酒の味や心地良い酔いを体験できていいですね。先日読んだ小説にも、お酒がたくさん出てきました。今回は、「このミステリーがすごい!」編集部による『3分で読める!一日の終わりに読むお酒の物語』を取り上げたいと思います。

 

こんな人におすすめ

お酒がたくさん登場するミステリー短編集に興味がある人

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「幸福な生活」 百田尚樹

日本国内において、小説は単行本出版→数年経ってから文庫化という流れになることが多いです。出版社にしてみれば、まず儲けが出る単行本を出し、人気・評価が安定した頃を見計らって文庫版を出版した方が、高い収益を見込めるのでしょう。単行本より文庫の方が安いし、収納スペースも小さくて済むし、持ち運びもしやすいから、買うならやっぱり文庫版で!!という方は、将来の文庫化を楽しみに待つしかありません。

かくいう私も、文庫化を楽しみにしている方です。その理由は、前述した値段や場所の問題に加えてもう一つ。文庫化に当たって、単行本未収録の短編やあとがきが追加されることがしばしばあるからです。昔から、こういうボーナス要素に弱い人間なんですよ。今回取り上げる作品にも、文庫化の際、短編が一話追加されていてお得感ありました。百田尚樹さんの『幸福な生活』です。

 

こんな人におすすめ

ラスト一行の衝撃が売りの短編小説に興味がある人

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