愛とは決して後悔しないこと、最後に愛は勝つ、愛は地球を救う・・・愛に関する有名な台詞や歌詞、格言は数えきれないほど存在します。愛はキリスト教で最大のテーマとされていますし、日本においても、年齢や性別の枠を超えた深く広い慈しみの感情として捉えられることが多いです。お金や権力を求めるのは何となく卑しい気もしますが、<愛のため>というお題目があると、気高く誠実なもののような気がしますよね。
ですが、これはちょっと危険な考え方なのかもしれません。何しろ愛には決まった形があるわけでもなく、人によって無限に捉え方が変わるもの。本人にとっては<愛>でも、他人からすればまったく違うものだということもあり得ます。この作品では、愛のように見えてどこか違う、様々な感情が描かれていました。唯川恵さんの『愛に似たもの』です。
こんな人におすすめ
女性のどろどろした感情をテーマにした小説が読みたい人