昔読んだ小説の中で、こんなエピソードが紹介されていました。『チャレンジャー号爆発事故の発生後、阿鼻叫喚に陥る観客達を写した写真が話題となった。ところが後日、その写真は事故発生後ではなく、打ち上げ直後に撮られたものだと判明した。当初、恐怖と混乱の真っ只中と思われていた観客達の表情は、実は期待と興奮に沸いていたのだ』。その後同様のエピソードを見聞きしたことはないため、もしかしたら単なる噂なのかもしれませんが、十分あり得る話だと思います。物の見え方というものは、受け取る側の価値観や状況によって簡単に変化するものです。
絵よりもずっと正確に、被写体を写すことができる写真。そんな写真でさえ、解釈の違いというものは存在します。たった一枚の写真からだって、百人の人間がいれば百通りの物語を作り出すことも不可能ではないでしょう。今回取り上げるのは、写真にまつわるバラエティ豊かなショートショート集、道尾秀介さんの『フォトミステリー』です。
こんな人におすすめ
ブラックな作風のショートショートが好きな人

本好きとしては大変ありがたいことに、私が住む自治体は複数の図書館を運営してくれています。とはいえ、しょっちゅう行くのは徒歩圏内にある近所の図書館がメイン。行き来に時間がかからない分、本選びに時間をかけられるし、思い付きでふらっと行くことができてとても便利です。
<子ども食堂>という言葉をご存知でしょうか。これは子どもや地域住民に、無料ないし安価で食事を提供する社会活動のことで、二〇一〇年代頃からマスコミ等に頻繁に取り上げられるようになりました。食は人間にとって欠かすことのできない営みであり、心身の健康に直結するもの。こうした動きが活発化することは、この世界にとってとても大事だと思います。
修練を積み重ねた末にできるようになる巧みな技のことを<職人技>といいます。こんな言葉ができることからも分かる通り、職人とは熟練した技術で物を生み出すプロフェッショナル。根っからの不器用人間である私からすれば、同じ人間とは思えないレベルの技術を持った人達です。
新興住宅地。読んで字の如く、今まで宅地でなかった土地を新たに興した住宅地のことです。インフラ関係が新しく丈夫なこと、周囲に子育て世界が多く育児に向いていること、古参の住民がいないためゼロから人間関係をスタートさせられることなど、住む上でたくさんのメリットがあります。
「あなたは罪を償わなければなりません」「自分の罪と向き合い、償おうと思います」・・・ミステリーやサスペンス作品で、しばしば登場するフレーズです。罪を犯したなら、必ず償いをしなければならない。これを否定できる人間はどこにもいないでしょう。
この世には、是非が簡単に決められないものがたくさんあります。<復讐>もその一つ。聖書に<復讐するは我にあり>と書いてあるように、個人が勝手に復讐することは許されないという考え方は、社会に根強く浸透しています。現実問題、一人一人が自由気ままに憎い相手に復讐していけば秩序は崩壊してしまうわけですから、それもやむをえないと言えるでしょう。
『必殺シリーズ』『怨み屋本舗』『善悪の屑』・・・ドラマや漫画として人気を博したこれらの作品には、一つの共通項があります。それは、何らかの事情で法の裁きを逃れた、あるいは裁かれたものの罪に不釣り合いな軽い刑罰だった標的を密かに裁く存在が出てくるということ。悲しいかな、罪を犯しておきながらのうのうとのさばる人間は、いつの世にも存在します。「誰かがあいつらに罰を与えてくれたらいいのに・・・」。法的な是非はともかく、そういう感情は誰しもあるでしょう。だからこそ、例に挙げたような作品が人気を集めるのかもしれません。
愛とは決して後悔しないこと、最後に愛は勝つ、愛は地球を救う・・・愛に関する有名な台詞や歌詞、格言は数えきれないほど存在します。愛はキリスト教で最大のテーマとされていますし、日本においても、年齢や性別の枠を超えた深く広い慈しみの感情として捉えられることが多いです。お金や権力を求めるのは何となく卑しい気もしますが、<愛のため>というお題目があると、気高く誠実なもののような気がしますよね。
ミステリーやホラーのジャンルが好きで、<クローズド・サークル>を知らない方は、恐らくいないでしょう。単語を聞いたことがなくても、「外界と往来不可能な状況で事件が起こる様子を描いた作品のことだよ」と説明されれば、きっとピンとくると思います。嵐の孤島や吹雪の山荘、難破中の船・・・脱出困難な状況で怪事件が起き、「誰が犯人なのか」「次は自分が殺されるのか」と疑心暗鬼に駆られる登場人物達の姿は、多くのミステリーファンをハラハラドキドキさせてくれます。