サスペンス

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「黄泉醜女」 花房観音

昔、家にギリシア神話の本が置いてありました。子ども向けにリライトされたバージョンだったので、私へのプレゼントか何かだったのかもしれません。子ども向けとはいえ当時の私にはショッキングなシーンが多く、驚いた記憶があります。

ギリシア神話に限らず、神話はしばしば残酷だったり生臭かったりするものです。それは、かつて神話が教訓や警告の役目を果たしていたからかもしれませんね。恐ろしいといえば、日本神話だって負けてはいませんよ。今日は、日本神話に登場する禍々しい鬼をテーマにした作品を紹介します。団鬼六賞で文壇デビューを果たした小説家、花房観音さん『黄泉醜女』です。

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「25時のイヴたち」 明野照葉

インターネットを通じて友達を作った経験はありますか。私自身はというと、趣味や仕事、生活環境について楽しく話せる友達が何人かいます。中には、遠く離れた場所に住んでいたり、生活サイクルが違いすぎたりするため、現実世界ではなかなか知り合えなかったであろう人もいます。そういう相手とでも友達になれることが、インターネットの利点の一つですよね。

ただ、直接会うとなると、インターネット上でやり取りするほど簡単にはいかない場合もあります。それも、オフ会などの複数名がいる場所ではなく、二人きりで会うとしたら・・・その相手に、誰にも知られたくない秘密を知られているとしたら・・・そんな不穏な状況を描いた作品があります。松本清張賞受賞作家、明野照葉さん『25時のイヴたち』です。

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「ウツボカズラの夢」 乃南アサ

ウツボカズラという植物をご存知でしょうか。東南アジアに多い食虫植物で、甘い蜜を餌に虫をおびき寄せ、壺のようになった体内に誘い込んで捕食するという習性を持っています。昔、テレビでウツボカズラの内部を調べるという企画を見たことがありますが、凄まじい数の虫を体内にため込んでいて驚いたものです。

甘い蜜をちらつかせてターゲットを誘い、食らいついて自分のものにしてしまうウツボカズラ。この生態から、ウツボカズラはしばしばフィクションの世界で「悪女」の象徴として登場します。最近の作品では、これを覚えている方が多いのではないでしょうか。二〇一七年に志田未来さん主演でドラマ化もされた、乃南アサさん『ウツボカズラの夢』です。

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「殺人鬼フジコの衝動」 真梨幸子

殺人鬼。これほど禍々しい響きを与える言葉ってそうそうないんじゃないでしょうか。「殺人」だけでも十分恐ろしいのに、その後に「鬼」が付くなんて。何より恐ろしいのは、そんな殺人鬼が現実にもしっかり存在することでしょう。

一方、フィクションの世界に登場する殺人鬼は、決して恐ろしいだけの存在ではありません。貴志祐介さん『悪の教典』の蓮見聖司然り、トマス・ハリス『羊たちの沈黙』のレクター博士然り、殺人鬼たちはその残酷さを以て読者を惹きつけます。そんな小説界の殺人鬼名鑑には、彼女の名前も載せるべきでしょう。真梨幸子さん『殺人鬼フジコの衝動』に登場するフジコです。

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「満願」 米澤穂信

短編小説と長編小説、どちらが好きですか?私はというと、どちらも好き(笑)それぞれに面白さがあり、どちらが優れていると決められるものではありません。

ただ、個人的な意見として、ミステリーやホラーのジャンルでびしっと決まる短編小説を書くのは難しい気がします。トリックや人間関係が入り組んでいる場合が多い分、少ないページでまとめるのが大変に思えるのです。そんな困難を乗り越え、面白い短編小説を集めた作品はたくさんありますが、今日ご紹介するのはこれ。「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」「本格ミステリ・ベスト10」でいずれも一位を獲得した、米澤穂信さん『満願』です。

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「盲目的な恋と友情」 辻村深月

「盲目的」という言葉を辞書で引くと、「愛情や情熱・衝動などによって、理性的な判断ができないさま」とあります。文字通り、目が見えなくなるほど強い感情。そんな感情に突き動かされて誰か・何かを思うのは、果たして幸せなことなのでしょうか。

フィクションの世界には、盲目的な愛情や友情、嫉妬心に憎悪などがしばしば登場します。良いものであれ悪いものであれ、五感を狂わせるくらい強烈な感情というのは、創作物のテーマにしやすいんでしょうね。今日は、あまりに強く恋と友情にのめり込んだ女性達の物語を紹介します。瑞々しく希望のある作風で有名な辻村深月さん。そんな彼女にしては珍しいイヤミス作品『盲目的な恋と友情』です。

 

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「カウントダウン」 真梨幸子

ある日突然、病気で余命宣告されたら。そんな状況に直面した時、人はどういう行動を取るのでしょうか。愛する人とたくさん思い出を作る?やり残した大仕事を片付ける?百人に聞けば百通りの答えが返ってくると思います。

悔いなく最期の瞬間を迎えるための活動「終活」は、今や社会現象となりつつあります。終活を通じて心の整理を行い、限りある人生を豊かに送る人もいるでしょう。反面、終活を行うことで、忘れたい過去を掘り返すことになったりして・・・そんな「黒い終活」を描いた作品がこれ。真梨幸子さん『カウントダウン』です。

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「BUTTER」 柚木麻子

バターたっぷりの料理は美味しいです。最近はバターを使わず、カロリーカットした

レシピが多いようですが、それだと時々物足りなくなりませんか?どちらかと言えばあっさり系の味が好きな私でさえ、たまにはバターをふんだんに使ったパスタやお菓子が食べたくなります。

とはいえ、バターの使い過ぎにはご用心。あまりに濃厚すぎる味わいの虜となり、後々後悔する羽目になったりして・・・そんな運命に陥った女性を描いた作品がこちら。柚木麻子さん『BUTTER』です。

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「青光の街(ブルーライト・タウン)」 柴田よしき

イギリスの女流作家、P・D・ジェイムズの著作に『女には向かない職業』という推理小説があります。この職業というのは「探偵」のこと。知力だけではなく、体力や筋力が求められることも多いであろう探偵稼業は、「女性には向かない」と思われがちだったのかもしれません。

とはいえ、そんな考え方があったのはもう昔の話。今や現実世界でもフィクションの中でも優秀な女探偵は数えきれないほど存在しますし、『女には向かない職業』の主人公も女性です。最近、魅力的な女探偵が登場する小説を読んだので紹介します。柴田よしきさん『青光の街(ブルーライト・タウン)』です。

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「サイレンス」 秋吉理香子

里帰り。この言葉を聞いて、どんなイメージが思い浮かぶでしょうか。久しぶりに会う家族との和気藹藹としたひと時?離れていた土地で過ごす気づまりな時間?私は今、生まれ育った地方で暮らしていますが、一時は遠方の地で働いていたことがあります。たまの休みに里帰りし、家族や幼馴染と過ごす時間は楽しいものでした。

考えてみれば、里帰りを心から楽しいと思えるのは幸せなことですよね。重苦しい気持ちを抱え、嫌々ながら帰郷するケースだってたくさんあると思います。ただ単に嫌なだけならまだしも、中には故郷で思いがけない恐怖が待ち受けていることだってあるのかも・・・・・今回取り上げるのは、そんな里帰りを扱った作品、秋吉理香子さん『サイレンス』です。

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