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「嗤う淑女」 中山七里

「悪女」と聞くと、どんな女性を思い浮かべるでしょうか。武器を手に刃向う相手をバッタバッタとなぎ倒す女丈夫?それとも、色仕掛けで男性を手玉に取るセクシータイプ?

私のイメージする「悪女」は、決してスポットライトを浴びることなく、人から恨みを買うこともなく、水面下でひっそりと行動し利益を得るタイプです。そんな女性が登場する作品、「どんでん返しの帝王」の異名を取る、中山七里さん「嗤う淑女」を紹介します。

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「殺意の集う夜」 西澤保彦

「嵐の山荘」と聞けば、胸ときめかせるミステリファンも多いと思います。かくいう私もその一人です。閉ざされた場所、繋がらない連絡手段、次々死んでいく関係者たち・・・考えただけでワクワクしますよね。

とはいえ、この手のネタは様々な創作物で使われているため、生半可なアイデアでは読者を驚かせることはできません。ありきたりな「嵐の山荘」小説に飽きた方は、これなんてどうでしょう。<SF新本格ミステリー>という分野を確立した、西澤保彦さん「殺意の集う夜」です。

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「いつもの朝に」 今邑彩

皆さんに兄弟姉妹はいるでしょうか?いるとして、その仲は良好ですか?私は一人っ子なので、昔から兄弟姉妹のいる家庭が羨ましかったものです。

親子とも友達とも違う兄弟姉妹。では、その相手に恐ろしい出生の秘密があったとしたらどうするでしょう?今日は、血の繋がりの因縁を描いたミステリ、2013年に早すぎる死を迎えた今邑彩さん「いつもの朝に」を紹介します。

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「白椿はなぜ散った」 岸田るり子

誰かに恋をすること、その人を大切に想うことって素敵です。小説でも漫画でも映画でも、恋の甘さや美しさを描いた作品はたくさんあります。

でも、恋愛って本当に甘く美しいだけのものでしょうか?誰かを想う気持ちがやがて歪み、暴走していくこともまたありうるでしょう。というわけで、今回ご紹介するのは、医学分野にも造詣の深い作家・岸田るり子さん「白椿はなぜ散った」です。

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「七人の敵がいる」 加納朋子

よく「子育ては戦場だ」と言われます。そう言われて想像するのはどんな場面でしょうか?子どもの夜泣き?トイレトレーニング?公園デビュー?もちろん、それだって大変なことだと思います。

でも、親業の大変さは、夜泣きやトイレトレーニングが一段落ついた後も続くものですよね。親の果てしなき奮闘ぶりを描いた作品と言えばこれ。ハートフルな作品を書かせたら天下一品、加納朋子さん「七人の敵がいる」です。

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「木曜組曲」 恩田陸

「女の敵は女」「女同士の腹の探り合いってすごく怖い」こういうフレーズを耳にすることってよくあります。同じ女として微妙な気持ちになる反面、一理あると思ってしまうこともまた事実。女性同士の掛け合いって、男女のやり取りでは決して出ない、ある種の緊張感があると思います。

そんな女性の心理戦を心行くまで味わいたい時は、これなんてどうでしょう。「ノスタルジアの魔術師」と称される恩田陸さんの初期の傑作、「木曜組曲」です。

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「愚行録」 貫井徳郎

皆さん、自分をどんな人間だと思いますか?親兄弟、友達、恋人の真実の姿を知っていると断言できますか?あるいは、周りの人達は自分の本当の姿を理解してくれていると言い切れますか?

できる、と言いたいところだけど、なかなか難しいのが人間というもの。ほんの少し見方を変えるだけで、まったく違った姿が見えてきても不思議ではありません。というわけで、今日ご紹介するのがこの作品、貫井徳郎さん「愚行録」です。

 

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