実は私、お酒がまったく飲めません。若い頃は「練習すれば強くなる」という言葉を信じてせっせと飲んでいましたが、どれだけ経っても、一口二口飲んだだけで胸やけと眩暈のダブルパンチ。血縁者にも下戸が多いので、遺伝なのかもしれません。現在はすっかり諦めの境地に達し、お酒の場でもノンアルコールを貫いています。
ただ、こういう体質のせいもあってか、飲酒を楽しむことに対して憧れはあります。その点、小説の中なら、お酒の味や心地良い酔いを体験できていいですね。先日読んだ小説にも、お酒がたくさん出てきました。今回は、「このミステリーがすごい!」編集部による『3分で読める!一日の終わりに読むお酒の物語』を取り上げたいと思います。
こんな人におすすめ
お酒がたくさん登場するミステリー短編集に興味がある人
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日本国内において、小説は単行本出版→数年経ってから文庫化という流れになることが多いです。出版社にしてみれば、まず儲けが出る単行本を出し、人気・評価が安定した頃を見計らって文庫版を出版した方が、高い収益を見込めるのでしょう。単行本より文庫の方が安いし、収納スペースも小さくて済むし、持ち運びもしやすいから、買うならやっぱり文庫版で!!という方は、将来の文庫化を楽しみに待つしかありません。
かくいう私も、文庫化を楽しみにしている方です。その理由は、前述した値段や場所の問題に加えてもう一つ。文庫化に当たって、単行本未収録の短編やあとがきが追加されることがしばしばあるからです。昔から、こういうボーナス要素に弱い人間なんですよ。今回取り上げる作品にも、文庫化の際、短編が一話追加されていてお得感ありました。百田尚樹さんの『幸福な生活』です。
こんな人におすすめ
ラスト一行の衝撃が売りの短編小説に興味がある人
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年を取るにつれて、悲しいかな、本のタイトルとあらすじだけでは既読か未読か判断できないということが増えました。「好きな作家さんの著作一覧に、覚えのない本がある!新刊の時に気づいていなかったかな?」と思い、図書館でウキウキ借りたところ、実はもう読んでいたということもしばしばです。二十代くらいまでは、こんなことなかったんだけどなぁ・・・
ただ、こういう形で予期せず再読するのも、悪いことばかりではありません。オチを知った上で最初から読むと「なるほど、この台詞が伏線だったのね」「あ、実は序盤に犯人がちらっと登場してた!」というような面白さがありますし、読む時の年齢や生活環境次第で感想が変わることもあり得るでしょう。この作品も、既読だということを忘れて再読しましたが、それはそれで面白かったです。真梨幸子さんの『波乱万丈な頼子』です。
こんな人におすすめ
インターネット文化と絡んだイヤミスに興味がある人
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フィクションの世界には、魅力溢れる主人公がたくさん登場します。そして、主人公が強烈な個性の持ち主だった場合、その家族もまた印象的なキャラクターだというパターンがしばしばあります。この場合、家族をメインに据えたスピンオフが生まれやすく、読者としては二度美味しいですね。
<主人公の家族もまた・・・>というケースで有名なのは、かのシャーロック・ホームズの兄であるマイクロフト・ホームズでしょう。ホームズをも凌ぐ頭脳の持ち主でありながら行動力がなく、人付き合いを嫌う者が集う会員制クラブを創設するような変わり者。ドラマ・映画版でも、ホームズ同様に強烈なキャラクターとして描写されることが多いです。家族関係を知ると、お気に入りキャラクターの背景をより深く知ることができるんですよ。今回は、大好きなキャラクターの家族について扱った作品を取り上げたいと思います。澤村伊智さんの『ととはり屋敷』です。
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『比嘉姉妹シリーズ』が好きな人
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フィクションの世界においては「え、このジャンルをまとめちゃうの?それで作品は成り立つの?」という組み合わせがしばしば存在します。私が過去一番驚いた組み合わせは、実写映画化もされた海外小説『高慢と偏見とゾンビ』。古典恋愛とゾンビホラーを組み合わせるという荒業ぶりでしたが、予想以上に面白かったです。つまるところ、<絶対にそぐわない組み合わせ>などというものは、この世に存在しないのでしょう。
「一見合わなさそうだけど、実は・・・」という組み合わせとしては、他にSF×本格推理を挙げる人も多そうな気がします。未来世界や異星のテクノロジーがガンガン絡むSFと、現実的・論理的な思考が重要な本格推理とでは絶対にミスマッチ・・・と思いきや、構成がしっかりしているとすごく面白いんですよ。そして、SF本格推理といえば、私の中ではこの方なんです。今回は西澤保彦さんの『ストレート・チェイサー』をご紹介したいと思います。
こんな人におすすめ
SF要素のある本格推理小説が読みたい人
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ホラー作品の定番シチュエーションの一つに<謎の多いアルバイトをする>というものがあります。<家や学校といった日常生活の場を離れる><金銭を得る以上、多少不可解なことがあっても我慢してしまう><正社員に比べると、就労環境に対する事前確認が甘くなりがち>といった、ホラーにぴったりの要素を揃えやすいからでしょうか。好条件のアルバイト先に出向いてみると、意味不明な仕事を任される。さらにそこに奇妙なルールや禁止事項を加えれば、あら不思議、王道をいくザ・ホラーの出来上がりです。
この手の話で有名なものとしては、Web発祥の怪談であり、映画化もされた『リゾートバイト』があります。また、私が大好きな三津田信三さんも『のぞきめ』、『怪談のテープ起こし』収録の「留守番の夜」などでこのテーマを扱っています。どれも魅力的な作品でしたが、最近読んだこの作品の面白さはピカイチでした。櫛木理宇さんの『鬼門の村』です。
こんな人におすすめ
因縁深い村ホラーが読みたい人
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名作、傑作、凡作、駄作、迷作・・・すべて、作品の出来を評価する言葉です。こういうことに唯一絶対の正解はありませんから、ある人にとっての名作が、ある人にとっては駄作となることも決して珍しくありません。レビューサイトなどで十人十色の感想を読み比べるのも、なかなか楽しいですよ。
こうした作品の評価に、<怪作>というものがあります。王道を行く大傑作とは言えないかもしれないけれど、独特の世界観で読者に強いインパクトを残す作品がこう呼ばれます。<怪>という字が付いているだけあって、不気味だったり不穏だったりすることも多いようですね。先日読んだ作品は、まさに怪作と言うにふさわしい衝撃度でした。鈴木悦夫さんの『幸せな家族 そしてその頃はやった唄』です。
こんな人におすすめ
連続殺人が出てくるサスペンスが好きな人
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「正義の反対は悪ではない。また別の正義」。ネット上でも頻出するフレーズなので、見聞きしたことのある方も多いのではないでしょうか。『クレヨンしんちゃん』で野原ひろしが言ったとされがちですが、本当に作中にそういう場面があるかどうかは未確認。実際は、ゲーム『パワプロクンポケット7』で、登場人物の一人が言った台詞が元ネタのようです。
誰が言ったかどうかはともかく、間違いなくこの世の真理の一面を衝いた台詞だと思います。自分の行動が誰かに不利益を及ぼしたとして、バトル漫画に出てくる悪役よろしく「フハハハハ!貴様の苦しむ顔さえ拝めればそれで満足だ!」と高笑いする人間は、そう多くないでしょう。「そんなつもりはなかった」「むしろ良かれと思って」「これこれこういう事情があったんだ」等々、己の主義主張を持っているパターンの方が多いはずです。人間の数だけ正しさがあり、意見があり、主張がある。たとえ、それがどんな結果を生もうとも。今回は、そんな皮肉な<正しさ>をテーマにした作品をご紹介します。芦沢央さんの『あなたが正しくいられたとき』です。
こんな人におすすめ
人間の心の歪みを描いた短編集に興味がある人
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以前、インターネット上で<特に理由はないけど、なぜか不安になる写真>という特集を見たことがあります。夜霧に包まれた児童公園や建設中の無人の駅、倉庫の中にずらりと並ぶマネキン人形、夕焼けで赤く染まるシャッター通りと化した商店街など、なんとなく胸がざわつく写真の数々が印象的でした。
その中で、私が一番はっきり記憶しているのは、夜中のトンネルを写した写真です。真っ暗で、出口が見えず、圧迫感と閉塞感を感じさせるせいでしょうか。実際、福岡県の旧犬鳴トンネルや北海道の常紋トンネルのように、心霊スポットとして有名なトンネルも数多く存在します。今回は、トンネルが登場するホラー小説をご紹介します。クリス・プリーストリー氏の『トンネルに消えた女の怖い話』です。
こんな人におすすめ
後味の悪いホラー短編集に興味がある人
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フィクション作品には<どんなクライマックスを迎えるか、早く知りたいもの>と<いつまでもストーリーを追い続けたいもの>の二つがあると思います。何をもってそう判断するかは人それぞれなのでしょうが、私の場合、前者は圧倒的にミステリーやホラー作品。早くオチでびっくりさせてほしい一心で、寝る間も惜しんで終盤まで一気読みすることもしばしばです。
一方、後者はコメディやヒューマン作品が多いです。感覚としては、変わらぬ日常を描く『サザエさん』『ドラえもん』が長年に渡って愛されるのと似たようなものでしょうか。藤崎翔さんの『お梅シリーズ』なんて、この先、五十巻を超える勢いで続いてほしいと切に願っています。先日読んだ作品も、いつまでも続いてほしいと思える青春小説でした。朱川湊人さんの『小学61年生』です。
こんな人におすすめ
・特撮が好きな人
・若者たちの青春成長物語に興味がある人
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