<ニート>の正式名称をご存知でしょうか。<Not in Education,Employment or Training>の略称で、勉強することも就労することも職業訓練を受けることもない者を指します。年齢は、一般的には十五歳から三十四歳までと定義されているとのこと。「五体満足な人間が、教育や勤労の義務も果たさずだらだらしているなんて」と、世間の厳しい目に晒されることが多い立場です。
ニートが小説の主要登場人物になる場合、いかにして彼(彼女)はニート生活に終止符を打つかがポイントになることが多いです。例を挙げると、里見蘭さんの『さよなら、ベイビー』や、過去にブログで取り上げた近藤史恵さんの『歌舞伎座の怪紳士』がそれに当たりますね。上記の作品の主人公達は、それぞれ思いがけない形で再出発の機会を掴み、一歩を踏み出します。では、この作品の主人公はどうでしょうか。加納朋子さんの『二百十番館にようこそ』です。
こんな人におすすめ
ニートの再出発を描いたヒューマンドラマが読みたい人