私はこの十年ほど日記をつけ続けています。日付、天気、その日の出来事と食事のメニューを書いた数行程度のものですが、後日、過去の記憶が曖昧な時に振り返ることができて便利ですよ。たまに昔の日記を読み直してみると、「あ、そういえばこんなことがあったっけ」「私、五年前と同じことしてるじゃん」等々、色々と思うところがって面白いです。
人のプライベートの宝庫であるという性質上、日記はしばしば小説のキーアイテムとして使われます。ジャンル問わず、謎解き要素が仕掛けられていることも多い気がしますね。映画化もされた『ハリー・ポッターシリーズ』第二弾『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では日記が重要な小道具になっていますし、雫井脩介さんの『クローズド・ノート』でもヒロインが前住人の日記を見つけたことが物語の発端でした。今回ご紹介するのは、日記の特性が上手く使われたミステリー、永井するみさんの『秘密は日記に隠すもの』です。
こんな人におすすめ
日記形式の連作ミステリーが読みたい人