「一番印象に残っている時代は?」というアンケートがあるとしたら、どんな答えが集まるでしょうか。回答者の立場によって違うと思いますが、ある世代以上の人達なら、恐らくバブルの時代を挙げると思います。これは一九八六年から一九九一年にかけて起きた好景気のことで、地価高騰やリゾート地開発、就職活動における売り手市場など、様々な社会現象が発生しました。私自身は小さかったためほとんど意識しませんでしたが、「バブルの頃はね・・・」と思い出話をされた経験は数えきれないほどあります。きっと、それほど強烈な印象を残す時代だったのでしょう。
バブルの時代を扱った小説の例を挙げると、黒木亮さんの『トリプルA 小説格付会社』、楡周平さんの『修羅の宴』、当ブログで過去に紹介した貫井徳郎さんの『罪と祈り』などがあります。いずれも、バブルの波に揉まれ、踊らされる人間の業の深さをテーマにしていました。そういう話ももちろん面白いのですが、ずっしりした小説を読んだ後には、明るく口当たりのいい小説が読みたくなるもの。今回は、バブル期に前向きに逞しく生きていく女性達の小説を取り上げたいと思います。林真理子さんの『トーキョー国盗り物語』です。
こんな人におすすめ
女性の幸せ探しをテーマにした小説が読みたい人