「嫁姑の仲よきはもっけの不思議」などという言葉もあるように、嫁と姑というのは多かれ少なかれ揉めるものと思われがちです。赤の他人の同性同士が身内になるという状況のせいでしょうか。もちろん、嫁姑関係が円満にいっている家庭もたくさんあるんでしょうが、小説やドラマの中には、確執を抱えた嫁と姑が大勢登場します。
一方、舅となると、創作物に限って言えば意外なくらい存在感が薄いケースが多いです。嫁いびりをするどころか、台詞があるかないかよく分からないような場合も少なくありません。そんないまいち影の薄い舅にスポットライトを当てるため、今回は小池真理子さんの『唐沢家の四本の百合』を取り上げたいと思います。
こんな人におすすめ
家庭内サスペンス小説が読みたい人