「人は中身が大事」「外見より心の美しさの方が価値がある」誰しも一度は聞いたことのあるフレーズだと思います。そうであってほしいと心底思うものの、悲しいかな、人の立ち位置を決める上で、容姿が重要なファクターとなることは事実。美しい人間が尊ばれ、そうでない人間が蔑まれる場面は、日常の至る所に溢れています。
美醜をテーマにした作品といえば、漫画なら岡崎京子さんの『ヘルタースケルター』や楳図かずおさんの『洗礼』、小説なら百田尚樹さんの『モンスター』、ブログでも紹介した唯川恵さんの『テティスの逆鱗』などがあります。これらの作品の共通点は、美に取りつかれた人間は時として化物じみてくるということ。美しさを求めるあまり人間離れしてしまうなんて、なんとも皮肉な話ですよね。今回取り上げる小説にも、美という呪いにかかった人間たちが登場します。澤村伊智さんの『うるはしみにくし あなたのともだち』です。
こんな人におすすめ
スクールカーストが出てくるホラーミステリーが読みたい人

本好きなら恐らく誰もが持つ娯楽、それが本屋巡りです。当たり前の話ですが、本屋は見渡す限り本、本、本。新刊コーナーをチェックしたり、気になる本をめくって内容を確認したりするだけで、時間はあっという間に潰れます。コロナ禍ではどうか分かりませんが、以前は店内の各所にソファやテーブルが設置され、購入前に座ってゆっくり読むこともできました。初めて本屋で閲覧席を見た時、ここは地上の楽園かと思ったことを、今でもよく覚えています。
本の内容と、その本を読むタイミングというのは、密接な関係があります。例えば、大きな物事に臨む時はスカッとする勧善懲悪ストーリーがいいとか、落ち込んでいる時は悪人が出てこないハートフルコメディがぴったりとか。たかが本、されど本。読書には人の気分を左右する不思議な力があるものです。
ミステリーやホラーのように<真相究明><問題解決>に重きが置かれる作品の場合、「なぜ主人公は必死に事件に取り組むのか」という動機付けが重要となります。ここをすんなりクリアするための方法の一つは、主人公の職業をマスコミ関係者にすること。何しろ調査・取材することが仕事ですし、犯罪性が高くないと捜査できない警察と違い、まだ物理的な被害が出ていない(判明していない)事件や、何十年も前に起きた未解決事件に対してでも動けます。
大変ありがたいことに、実家には今も私の部屋が残っています。子どもの頃に買った本も、量は減ったとはいえ保管してもらっており、それらを読み返すのが帰省の楽しみの一つです。ページが手垢で黒くなるほど読んだというのに、再読してもまだ面白いのだから、読書というのは奥深いものですね。
人がホテルに求めるものは一体何でしょう。楽しい旅のひと時を過ごすため、静かな空間でリフレッシュするため、落ち着いて仕事をするため・・・追手の目から隠れるため、などという理由もあるかもしれません。旅館と比べると、ホテルは従業員が客室内に出入りする機会が少なく、個人の空間が保たれるというのが特徴です。
これは小説に限った話ではありませんが、この世には<万人受けするジャンル>と<そうでないジャンル>の二種類があります。前者はコメディやヒューマンストーリー、後者はイヤミスやホラー。好みはあるにせよ、ユーモラスなほのぼの小説を読んで吐き気を催す人は少ないでしょうが、イヤミスやホラーだとそれがあり得ます。
人間が一番無防備になる時、それは肌を見せる瞬間だと思います。それゆえ、基本的に着替えは人目につかない場所で行うものですし、捕虜やスパイに対する精神的拷問として、裸で行動させるというものもあるのだとか。すべての服を取り払って裸になるという行為は、それだけ禁忌だという意識が強いのでしょう。
ひと頃、学園ものにハマっていた時期がありました。成長過程にある少年少女の人間模様とか、学校特有の閉塞感とか、子どもであるが故の残酷さとか、もう大・大・大好物。小学生や大学生メインでも面白い作品はたくさんありましたが、一番読み漁ったのは中学生・高校生が主役になる小説です。この世代の、子ども一辺倒ではないけれど大人にもなりきれていないアンバランスさが、物語を盛り上げるのに一役買っていた気がします。
世界各国には様々な童話があります。勧善懲悪のヒーロー話からおどろおどろしい怪異譚、くすりと笑えるほのぼのストーリーまで、その作風は千差万別。物語として面白いだけでなく、現代にも通じる教訓や風刺が込められているものも多く、大人になってから読んでも楽しめます。