医療問題は総じてデリケートなものですが、中でも臓器移植問題の複雑さは群を抜いています。「虫歯になったら歯医者に行こう」とは言えても「病気になったら臓器移植を受けよう」とはなかなか言えるものではありません。理由は色々あるけれど、その中の一つは<臓器提供が行われる=提供者は体にメスを入れて臓器を摘出されている、場合によっては死んでいる>からではないでしょうか。病気や怪我なら仕方ないが、五体満足の体を開いて内臓を取り出すなんて不自然だ、親しい身内ならともかく他人のために手術なんて受けたくない、臓器移植を待つということはどこかの誰かが死ぬのを待つことではないか・・・そういったネガティブな考え方があるのが現実です。
しかし、どれだけ否定的な意見が出ようと、自分自身や大切な人が臓器移植を待つ身となれば、誰だって手術を望むでしょう。こうしたアンビバレントな状況から、臓器移植はフィクション界でも常に注目されるテーマです。私が初めて読んだ臓器移植に関する小説は、貫井徳郎さんの『転生』でした。どうしても重くなりがちな題材を、後味の良いラブストーリー&ミステリーに仕上げた良作でしたよ。では、最近読んだこの作品はどうでしょうか。中山七里さんの『カインの傲慢』です。
こんな人におすすめ
臓器移植が絡んだミステリーが読みたい人

<兄弟は他人のはじまり>ということわざがあります。意味は<血を分けた兄弟(姉妹)でも、成長するにつれ環境や価値観が変わり、情が薄れ、他人のようになっていく>ということ。ちょっと寂しいですが、肉親とはいえ違う人間なのですから、仕方ないことなのかもしれません。
「長編小説は読むのに時間がかかる。短い時間でも気軽に読める短編小説の方が好き」という意見をしばしば耳にします。長編と短編、どちらが優れているかは決められないものの、所要時間の少なさという点では、短編に軍配が上がるでしょう。その短編よりさらに短い小説が<ショートショート>です。何をもってショートショートとするか、明確な定義はないようですが、<一ページから数ページに収まる長さであり、意外な結末を迎えるもの>という解釈が一般的なようですね。
私は短編小説が大好きでよく読みますが、その上で、一つ問題があります。短編小説の場合、アンソロジー等に収録される可能性が高く、短編集発売の情報に期待していたらすでに読んでいた、ということがあり得るのです。優れた短編は何度読んでも面白いものですが、それでも、初めて読んだ瞬間の驚きはもう得られません。
何をもってその作品を好きと思うか。基準は人それぞれです。ストーリーが何より大事と言う人もいれば、その作家さんの作品なら何でも読んでみるという人もいるでしょう。タイトルや挿絵に重きを置く人だっているかもしれません。<登場人物>もその一つ。「このキャラ大好き」「この人が主人公なら続編も読んでみよう」。そうやって読む本を決めることって、案外多いのではないでしょうか。
子どもが活躍するミステリーって大好きです。社会的に弱者であるはずの子どもが、行動力や発想力を活かして謎解きに挑み、真相をあぶり出す・・・設定を聞いただけでわくわくしてしまいます。子ども化した名探偵が登場するミステリー漫画が人気を集めていることからして、そう思うのは私だけではないのでしょう。
私はこれまでの人生で何度か転校を経験しています。幼稚園や小学校時代のことなので、勉強の遅れを感じることはほとんどありませんでしたが、新しい環境で一から立ち位置を築くのはなかなか大変でした。どこも比較的落ち着いた環境で、ひどいイジメに遭うことがなかったのはラッキーだったと思います。
歴史上、どの時代が好きかという質問があったら、どんな答えが集まるでしょうか。有名な英傑が大勢登場する戦国時代や幕末、陰陽師を扱った作品によく取り上げられる平安時代、文化面で大きな発展があった江戸時代などが挙がりやすい気がします。
私は昔から食べることが大好きです。嫌なことがあれば好物を食べてリフレッシュしようとするし、旅先でまず調べるのは現地の美味しいお店や名物料理。だからこそ、美味しい料理を作ってくれるコックさんのことは無条件で尊敬してしまいます。
高齢者ドライバーによる事故が取り沙汰されるようになったのはいつからでしょうか。正確なところは分かりませんが、ここ数年で、メディアが高齢者による事故を大きく取り上げる率は確実に上がっている気がします。年齢を重ねると、視力や筋力が落ちたり、反応速度が遅くなったりして、事故を引き起こす危険性が高まるとのこと。普通に扱えば便利な車も、ひとたび間違いを犯せば、走る凶器になりかねません。