他のジャンルがそうであるように、ホラーという分野にも「ブーム」が存在します。ここ最近ヒットしたホラー作品を見る限り、今は「一番怖いのは人間だよ」ブーム。人間の欲望や狂気が引き起こす恐怖は、現実にも起こりそうな臨場感があって怖いですよね。
ですが、人外の存在が巻き起こす意味不明な恐怖もまた恐ろしいです。この世の常識が通用せず、ただ「関わってしまったから」という理由で怪異に見舞われる登場人物たち。この手の作風は三津田信三さんがお得意ですが、この方の小説もかなりのものでした。今回取り上げるのは恩田陸さんの『私の家では何も起こらない』。王道をいく幽霊譚が楽しめますよ。
こんな人におすすめ
スタンダードな幽霊屋敷小説を読みたい人