作家名

はいくる

「インターフォン」 永嶋恵美

「団地」という言葉ができたのは昭和十年代だそうです。住宅や工場を計画的に一カ所に集めて建設した地区、またはそこに立地している建造物のことで、住宅団地、工業団地、商業団地などがあります。「団地」と聞くと、住宅団地を真っ先に思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

多くの人や物が行き交う性質上、団地を舞台にした小説は数多く存在します。本間洋平さんの『家族ゲーム』、久保寺健彦さんの『みなさん、さようなら』など、映像化された作品も少なくありません。一つの建物内にたくさんの人が住み、様々な喜怒哀楽が渦巻く団地は、創作のテーマとして魅力的だからでしょうね。今日は、団地に巣食う闇を取り上げた短編集は紹介します。「映島巡」名義で漫画原作やゲームノベライズなども手がける、永嶋恵美さん『インターフォン』です。

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「女たちのジハード」 篠田節子

「OL」という言葉が生まれたのは、一九六四年のこと。週刊誌『女性自身』が公募を行って生まれた造語だそうです。五十年以上の歴史があり、今では台湾や香港でも使用されているようですね。それはすなわち、会社で働く女性がどんどん増え、社会に貢献してきたことの証でしょう。

私自身OL経験者であり、OLが登場する小説も大好きです。才色兼備のOLがイケメン相手に恋の駆け引きを繰り広げる話も、正義感溢れるOLが企業の不正と戦う話も面白い。でも、一番好きなのは、どこにでもいる平凡なOLが、幸せになるため一生懸命前進していく話です。今日は、そんなOLたちの奮闘記をご紹介しましょう。恋愛、ホラー、SFと、幅広いジャンルで活躍する篠田節子さん『女たちのジハード』です。

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「鍵のない夢を見る」 辻村深月

「犯罪」とは読んで字の如く「罪を犯すこと」です。テレビや新聞に目を向ければ、毎日のように新たな犯罪が起こっていることが分かります。それを見て大抵の人は不快感や恐れを感じ、同時にこう思うのではないでしょうか。「私には、犯罪なんて無関係だ」と。

ですが、犯罪とは決して遠い世界の出来事ではありません。ほんのちょっとしたきっかけで、自らが犯罪の加害者や被害者になることもありうるし、目撃者などの形で関わることもあるでしょう。今回紹介する本には、それぞれの形の犯罪と関わることになった五人の女性が登場します。辻村深月さんの直木三十五章受賞作『鍵のない夢を見る』です。

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「静おばあちゃんにおまかせ」 中山七里

最近は元気なお年寄りが多いです。ただ体力的に元気なだけでなく、積み重ねてきた経験と知恵をもとに若者顔負けの活躍をするお年寄りには憧れちゃいますね。当ブログでもお年寄りが奮闘する本をいくつか紹介しましたが、それらはすべておじいちゃんが主役でした。

もちろん、おばあちゃんが活躍する小説もたくさんあります。世界的に有名なアガサ・クリスティの『ミス・マープル』シリーズを筆頭に、梨木香歩さんの『西の魔女が死んだ』、天藤真さんの『大誘拐』、松尾由美さんの『ハートブレイク・レストラン』エトセトラエトセトラ。どの作品にも個性豊かで魅力的なおばあちゃんが登場しますが、これに出てくるおばあちゃんも負けていません。中山七里さん『静おばあちゃんにおまかせ』です。

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「鶏小説集」 坂木司

子どもの頃は結構な偏食だった私が積極的に食べた数少ない食材、それが鶏肉です。誕生日のご馳走は鶏のから揚げ、コンビニで買うのはチキンサンド、鍋ならすき焼きよりしゃぶしゃぶより水炊きが好き。偏食が治った今も鶏肉好きは変わらず、神戸牛が売りの焼肉屋に行った時さえ、まず鶏肉を注文したほどです(笑)

ものすごく個人的な意見ですが、鶏肉は肉の中で一番、変化がつけやすいような気がします。部位や調理法によってあっさり味にもなればこってり味にもなる。これって、なんだか人間関係にも似ているような・・・そんな風に思うのは、この作品を読んだせいでしょうか。坂木司さん『鶏小説集』です。

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「二年半待て」 新津きよみ

ここ数年、「○活」という言葉を聞く機会が急激に増えました。就職活動を略した「就活」はずいぶん昔から使われていましたし、二〇一二年には、人生の最期を自分の望むように準備する「終活」がユーキャン新語・流行語大賞のトップテンに選ばれています。人生のターニングポイントに関するものばかりではなく、朝に勉強や運動を行う「朝活」、体を温めて健康を増進する「温活」などもあります。

留まるところを知らず、あらゆる分野に広がっていく「〇活」。当然、小説のテーマになることも多いですね。そんな様々な「〇活」を取り上げた作品といえばこれ。新津きよみさん『二年半待て』です。

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「レイクサイド」 東野圭吾

旅行、合宿、キャンプ・・・どことなく冒険の香りが漂う言葉です。日常を離れ、普段暮らしているのとは別の場所で寝起きする。子どもはもちろん、わくわくする大人も大勢いるでしょう。

日常から離れるというシチュエーションのせいか、旅行や合宿を扱った創作物はたくさんあります。世界的に有名な映画『13日の金曜日』はキャンプに来た若者たちと殺人鬼の攻防を描いていますし、高見広春さんの『バトル・ロワイアル』、群ようこさんの『かもめ食堂』、柴田よしきさんの『夢より短い旅の果て』などでは、登場人物たちは家を離れて旅に出ます。恋愛、ヒューマンドラマ、ホラーと、どんなジャンルにも繋げることのできる「旅」ですが、ミステリーならこれはどうでしょうか。東野圭吾さん『レイクサイド』です。

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「消人屋敷の殺人」 深木章子

ミステリーの世界には、「面白いけど非現実的」なネタが多々あります。たとえばダイイングメッセージ。たとえば見立て殺人。「閉鎖空間での人間消失」もその一つです。

閉ざされた状況下で忽然と人間が消える・・・実際にはまず起こりえなさそうな設定ですが、フィクションの世界なら話は別。とはいえ、非現実的なネタである以上、理由やトリックにそれなりの説得力を持たせなければ、読者は白けるばかりです。最近読んだ作品は、なかなか練られた佳作でしたよ。深木章子さん『消人屋敷の殺人』です。

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「かがみの孤城」 辻村深月

何でも願い事を一つ叶えてあげる・・・物語によくあるシチュエーションです。もしそんな局面に直面した時、人は何を願うのでしょうか。私は想像力貧困ですので、いざそういう状況になったら、「家内安全、無病息災」くらいしか思いつかないかもしれません(笑)

しかし、世の中には、切実に叶えたい願いを持つ人もいます。どうにもならない現実に苦しみ、人ならざるものの力を借りてでもそれを打開したいと願う子どももいます。今日取り上げる小説には、そんな子どもたちが登場します。辻村深月さん『かがみの孤城』です。

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「ジゼル」 秋吉理香子

幼稚園の頃、バレエを習っていたことがあります。きっかけは曖昧ですが、たぶん、綺麗な衣装に憧れたとか何とかいう理由でしょう。残念なことに長続きしませんでしたが、間近で見たチュチュやジョーゼットが素敵だったことは今でも覚えています。

その優雅な美しさで人々を魅了するバレエ。しかし、人間が行うものである以上、優雅なばかりではいられません。見えない所で必死に足を動かす白鳥のように、バレエ界には水面下での熾烈な戦いや争い、感情のぶつかり合いが満ちています。最近読んだ小説により、そのことがよく分かりました。秋吉理香子さん『ジゼル』です。

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