四月も残りわずかです。この春に引っ越しを経験した人は、そろそろ片づけが一段落した頃合いでしょうか。今年は引っ越そうにも業者が予約できない<引っ越し難民>が続出したんだとか。不自由した方々が一日も早く落ち着き、快適な新生活を送れるよう願ってやみません。
新居での生活には期待と不安が付きまとうもの。素晴らしい家を得たならば、新生活はより良いものとなるでしょう。でも、もしその家がおぞましく恐ろしいものだったなら・・・?この作品に登場する一家は、そんな恐ろしい家に住んでしまいます。小池真理子さんの『墓地を見おろす家』です。
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昔、偶然ですが、某有名劇団の通算1000回公演に行ったことがあります。本編終了後、再び幕が上がってキャストが観客席に飛び降りてきたり、主演俳優が謝辞を述べたり・・・まったく予想していなかった分、すごく嬉しかったです。これほどの記念公演でなくとも、劇本編とは別に出演者や演出家が出てきてくれたりすると、何となく楽しくなっちゃいますね。
幕が下りただけで終わるのではなく、その後にさらなる喜びや感動をもたらしてくれるもの、それがカーテンコールです。人生にもカーテンコールがあると思えば、何かとままならない世の中も少しは生きやすくなるのではないでしょうか。そんな人生のカーテンコールを扱った作品がこれ、加納朋子さんの『カーテンコール!』です。
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「ジャケ買い」という言葉があります。意味は「内容を知らないCDや本などを、パッケージのみに惹かれて購入すること」。何しろ内容を知らないわけですから、まるで好みに合わない商品を買ってしまって心底後悔することもある、それがジャケ買いです。
反面、ジャケ買いした商品が予想以上の良作だった場合、その喜びは大きいです。私の場合、人生初のジャケ買いはCDで、松任谷由実さんの『THE DANCING SUN』。「Sign of the Time」「砂の惑星」「春よ、来い」といった名曲揃いで、すっかりユーミンファンになった記憶があります。もちろん、ジャケ買いした本も色々ありますが、今回はその中の一冊を紹介します。岸田るり子さんの『味なしクッキー』です。
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女性同士の人間関係のもつれをテーマにした小説はたくさんあります。この手のテーマの場合、大抵はドロドロの愛憎劇になる傾向が強い気がしますね。人間関係が難しいのは男性同士、男女間でも言える話ですが、女性同士の方が「陰湿」「鬱々」というイメージがあるのでしょうか。
このブログでも新津きよみさん『女友達』、辻村深月さん『盲目的な恋と友情』などを紹介してきましたが、これらは女性二人をメインに据えた作品です。では、これが女性三人なら?「三角関係」などという言葉があるくらい、複雑な人間関係の代名詞とも言える三人組。そんな女性同士のトライアングルを描いた作品を紹介します。近藤史恵さんの『インフルエンス』です。
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私が大人になったらやりたいと思っていたことの一つ、それは「行きつけのカフェを見つけること」です。家の近所に居心地のいい店を見つけ、店員さんとも顔馴染みになり、お茶やスイーツを楽しみながらのんびりとした時間を過ごす・・・たぶん、ドラマか何かで見たシチュエーションだと思いますが、子どもの頃から本気で憧れていました。
そんな夢を持っていたからなのか、カフェを舞台にした小説も大好き。森沢明夫さんの『虹の岬の喫茶店』、池永陽さんの『珈琲屋の人々』、村山早紀さんの『カフェかもめ亭』など、どれも面白かったです。最近読んだカフェの出てくる小説といえば、近藤史恵さんの『ときどき旅に出るカフェ』。こんなカフェが近所にあったらなぁ。
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「ごあいさつ」欄にも書いてある通り、私は九州出身で、人生の大半を九州で過ごしてきました。海もあれば山もあり、ラーメンと明太子以外にも美味しい食べ物が色々あり、よその土地への移動もしやすい。身びいきかもしれませんが、いいところがたくさんある土地ですよ。
自分の故郷だからということもあるでしょうが、九州を舞台にした作品を見かけると、ついつい手が伸びてしまいます。重厚な歴史もの、どろどろしたイヤミス、胸がきゅんとするようなラブストーリーなど様々な作品がありますが、ハートウォーミングな成長物語が読みたい時はこれ。加納朋子さんの『ぐるぐる猿と歌う鳥』がおすすめです。
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寡婦、後家、未亡人。いずれも夫を亡くし、再婚していない女性を指す言葉です。日本ではこれらの女性を支援するため、税金などで優遇措置が設けられています。
その一方、一人身になった女性が直面する問題もたくさんあります。そんなの昔の話?本当にそうでしょうか。夫と死に別れた女性を待ち受ける困難とはどんなものなのか。今日は、その一例を描いた作品を紹介します。垣谷美雨さんの『嫁をやめる日』です。
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密室。ミステリー好きなら、まず間違いなく一度は目にしたことのあるキーワードでしょう。閉ざされた部屋、出入り不可能な状況、その中で起こる謎めいた事件。江戸川乱歩の『D坂の殺人事件』をはじめ、密室を扱った推理小説はたくさんあります。
とはいえ、たくさんありすぎて、ちょっとやそっとの密室ものではもはや読者が驚かなくなったことも事実。現実にはなかなか実現困難なケースが多いこともあって、一歩間違うと批判・冷笑の対象にもなりかねません。そこで今回は、一風変わった密室が登場する小説をご紹介します。岸田るり子さんの『出口のない部屋』です。
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以前の記事でも書きましたが、私は生まれた時からずっとマンション暮らしで、飼ったことがある生き物は金魚とヤドカリのみ。そのため、犬や猫といった動物を飼うことに憧れがあります。今でも、コリーやレトリバーのような大型犬と楽しげに遊ぶ人がいると、「いいなぁ」とついつい目で追いかけてしまいます。
とはいえ、動物を飼うことはままごととは違います。生活の中に生き物を迎え入れることで不自由も増えるでしょうし、トラブルに巻き込まれることもあるでしょう。先日、動物がいる生活の大変さと、それを上回る楽しさを描いた小説を読みました。近藤史恵さんの『シャルロットの憂鬱』です。
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学生時代、何か部活動をやっていましたか?私の場合、部活参加が半ば義務だった中学校ではパソコン部でしたが、高校では三年間通して帰宅部部員。当時は特に何も思わなかったものの、今になって振り返ると、何かやっておけば良かったかもと思います。
そんな私は知りませんでしたが、十代の部活動って、親の役割がすごく大きいんですね。時には子どもとは無関係な部分で、親がシャカリキにならなければならない場面もあるんだとか・・・今日は、そんな部活にまつわる保護者の奮闘記をご紹介します。当ブログでも紹介した『七人の敵がいる』の続編、加納朋子さんの『我ら荒野の七重奏』です。
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