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「ニュータウンは黄昏れて」 垣谷美雨

「お金より大事なものがある」「気持ちがあればお金なんて」・・・色々な局面でよく聞くフレーズです。なるほど、ごもっとも。この世の中、お金で解決できないことや手に入らないものは山ほどあります。

と同時に、お金で解決することが山ほどあることもまた事実。シビアなようですが、お金と生活は切っても切れない問題です。今日は、尽きることのない金銭問題を描いた小説をご紹介しましょう。垣谷美雨さん「ニュータウンは黄昏れて」です。

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「森に眠る魚」 角田光代

最初に受験をしたのは何歳の時ですか?私は私立中学を受験したので、十二歳の時です。残念ながら不合格だったものの、わざわざ家庭教師まで付けて応援してくれた両親には今でも感謝しています。

今や「お受験」という言葉はごく一般的なものとなり、早い子は幼稚園入園の段階から受験戦争に参戦します。そこで競われるのは、子どもの能力だけでなく親の熱意。今日は、お受験を機にもつれ、絡み合っていく人間模様を描いた作品をご紹介します。小説だけでなく、エッセイや翻訳など幅広い分野で活躍する、角田光代さん「森に眠る魚」です。

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「FEED」 櫛木理宇

『思えば、あれが運命の分かれ道だった』・・・小説や映画でよく登場するフレーズです。人生の明暗を分ける分岐点に遭遇する可能性は、誰にだってあります。

たった一つの分岐点を機に、行く先が天国と地獄に分かれてしまったら。今日ご紹介するのは、対照的な人生を歩むことになる少女達を描いた青春小説、櫛木理宇さん「FEED」です。

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「白椿はなぜ散った」 岸田るり子

誰かに恋をすること、その人を大切に想うことって素敵です。小説でも漫画でも映画でも、恋の甘さや美しさを描いた作品はたくさんあります。

でも、恋愛って本当に甘く美しいだけのものでしょうか?誰かを想う気持ちがやがて歪み、暴走していくこともまたありうるでしょう。というわけで、今回ご紹介するのは、医学分野にも造詣の深い作家・岸田るり子さん「白椿はなぜ散った」です。

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「七人の敵がいる」 加納朋子

よく「子育ては戦場だ」と言われます。そう言われて想像するのはどんな場面でしょうか?子どもの夜泣き?トイレトレーニング?公園デビュー?もちろん、それだって大変なことだと思います。

でも、親業の大変さは、夜泣きやトイレトレーニングが一段落ついた後も続くものですよね。親の果てしなき奮闘ぶりを描いた作品と言えばこれ。ハートフルな作品を書かせたら天下一品、加納朋子さん「七人の敵がいる」です。

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