「人は中身が大事」「外見より心の美しさの方が価値がある」誰しも一度は聞いたことのあるフレーズだと思います。そうであってほしいと心底思うものの、悲しいかな、人の立ち位置を決める上で、容姿が重要なファクターとなることは事実。美しい人間が尊ばれ、そうでない人間が蔑まれる場面は、日常の至る所に溢れています。
美醜をテーマにした作品といえば、漫画なら岡崎京子さんの『ヘルタースケルター』や楳図かずおさんの『洗礼』、小説なら百田尚樹さんの『モンスター』、ブログでも紹介した唯川恵さんの『テティスの逆鱗』などがあります。これらの作品の共通点は、美に取りつかれた人間は時として化物じみてくるということ。美しさを求めるあまり人間離れしてしまうなんて、なんとも皮肉な話ですよね。今回取り上げる小説にも、美という呪いにかかった人間たちが登場します。澤村伊智さんの『うるはしみにくし あなたのともだち』です。
こんな人におすすめ
スクールカーストが出てくるホラーミステリーが読みたい人