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「このショッピングモールは迷子を歓迎しています」 ヨシモトミネ

子どもの頃から海外ドラマや洋画が好きだった私の憧れの場所、それはショッピングモールです。当時、私が知っている小売店といえば、日用品ならスーパーで、改まった品ならデパート。それに不満があったわけではありませんが、画面の中で海外のティーンエイジャーたちが言う「土曜にショッピングモールで待ち合わせしましょう」「モールに新しいお店ができたって」などというやり取りが、やたらお洒落に思えたものです。

現在では、日本各地にたくさんのショッピングモールが存在します。買い物ができ、食事を済ませられ、映画やゲームや習い事を楽しむことができる性質上、昼夜問わず大勢の人々でごったがえすることも珍しくありません。でも、そんな中にこんなショッピングモールがあったとしたら・・・・・気軽に利用することを躊躇ってしまうのではないでしょうか。今回は、ヨシモトミネさん『このショッピングモールは迷子を歓迎しています』をご紹介したいと思います。

 

こんな人におすすめ

モキュメンタリーホラーが好きな人

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「ゆうべ、もう恋なんかしないと誓った」 唯川恵

物語が幸せな結末を迎える<ハッピーエンド>、主要キャラクターが不幸になる<バッドエンド>、傍から見れば不幸だけど当事者は満足している<メリーバッドエンド>、これまでのすべてがリセット・一からやり直しとなる<世界再編成エンド>・・・・・物語には、様々な結末があります。このエンディングが素晴らしいか否かで、作品の評価が決まると言っても過言ではありません。

こうしたエンディングの種類の一つに、<ビターエンド>というものがあります。読んで字のごとく、ほろ苦いエンディングのことで、バッドエンドほど不幸ではないがハッピーエンドとは言い難い・・・という結末を指します。個人的に、一番読者が身近に感じるエンディングはこれではないでしょうか。今日は、ビターエンドの恋愛小説を集めた短編集をご紹介したいと思います。唯川恵さん『ゆうべ、もう恋なんかしないと誓った』です。

 

こんな人におすすめ

ほろ苦い読後感の恋愛ショートショートに興味がある人

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「見てはいけない」 山口恵以子

今年も残すところあとわずか。世間はすっかりクリスマスおよび年末ムードです。師走、などと言われるほど忙しない時期ですが、こういうバタバタした感じ、結構好きだったりします。

イルミネーションなどで華やかな季節ですが、私はこの時期に、どこか薄暗く寒々しいものを感じます。気温の低さや、日照時間の短さが原因でしょうか。先日読んだ作品は、そんな気分にぴったりの一冊でした。山口恵以子さん『見てはいけない』です。

 

こんな人におすすめ

愛憎絡み合うサスペンス短編集に興味がある人

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「本屋さんのダイアナ」 柚木麻子

ダブル主人公というのは、手がける際に注意が必要な物語形式だそうです。描き方を間違えると片方だけが目立ってしまったり、最悪、もう片方がただの引き立て役になってしまうことがあり得ることが理由なのだとか。そのため、一時期、特にWeb小説界隈では<ダブル主人公は鬼門>という常識まで存在したらしいです。

しかし、きちんと描きさえすれば、ダブル主人公はとても魅力的なジャンルです。テレビドラマ『相棒シリーズ』や、海堂尊さんの『田口・白鳥シリーズ』、森博嗣さんの『S&Mシリーズ』等々、人気を博し、長期シリーズ化した作品も少なくありません。今回は、私の大好きなダブル主人公小説を取り上げたいと思います。柚木麻子さん『本屋さんのダイアナ』です。

 

こんな人におすすめ

好対照の少女二人の成長物語に興味がある人

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「愛なんか」 唯川恵

図書館には<開架>と<閉架>の二種類があるケースが多いです。<開架>とは、図書館利用者が自分で書棚の間を行き来し、自由に本を取り出して読むことができる利用方式のこと。<図書館>という言葉を聞いて多くの人が思い浮かべるのは、こちらの形でしょう。

一方、<閉架>とは、要するに書庫のことです。一般人は基本的に立ち入り禁止のため、図書館データベースで調べてここに希望の本があると分かった場合、職員さんに頼んで持ってきてもらわないといけません。多少面倒な面はあるものの、開架の本棚にも収容限度があるわけですから、致し方ないことなのでしょう。それに、閉架の本は状態が良いことが多いので、これはこれで好きだったりします。この本も、閉架書庫にあるのを見つけました。唯川恵さん『愛なんか』です。

 

こんな人におすすめ

ほろ苦い恋愛小説短編集が読みたい人

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「その手をにぎりたい」 柚木麻子

私は昔から魚介類が大好きです。海が近い地方で育ったせいか、肉より魚の方になじみ深さを感じます。子どもの頃はそれなりに好き嫌いがあったものの、魚に関しては、骨たっぷりの焼き魚だろうと、独特な匂いの青魚だろうと、ぱくぱく食べていたものです。

日本にはたくさんの魚介料理がありますが、その中でも代表的なのは寿司ではないでしょうか。新鮮な海産物と清潔な調理環境があって初めて成立する寿司は、今や世界に誇る日本のソウルフードです。今日は、寿司がキーアイテムとして使われる作品を取り上げたいと思います。柚木麻子さんの『その手をにぎりたい』です。

 

こんな人におすすめ

バブル期前後の女性の成長物語に興味がある人

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「この会社は実在しません」 ヨシモトミネ

小説家になろう、カクヨム、アルファポリスetc。現在、国内には複数の創作物投稿サイトがあります。厳密に言えば、各サイトごとに違いがあり、メリット・デメリットも存在するようですが、私はあまり気にしないタイプ。時間がある時、目についたサイトで面白い作品が読めれば満足です。

こうした投稿サイトは、一般人が誰でも気軽に作品を投稿できるという特徴上、どうしても玉石混交になりがちです。だからといって、「素人の趣味じゃん」と侮ることはできません。気軽に投稿できるからこそ参加者が増え、素晴らしい筆力の持ち主が育つことだって決して珍しくないのです。この作品も、その一つだと思います。今回取り上げるのは、カクヨムからデビューした作家、ヨシモトミネさん『この会社は実在しません』です。

 

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モキュメンタリーホラーが好きな人

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「難問の多い料理店」 結城真一郎

コロナ禍によって、これまであまり重要視されていなかったシステムや習慣に注目が集まるようになりました。例えば混雑した空間でのマスクの着用、手洗いうがいの徹底、オンラインでの会議や授業etcetc。コロナが第五類に移行した今もなお、すっかり社会に定着した感があります。

そんな<コロナによる需要増システム>の中の筆頭格は、ウーバーイーツではないでしょうか。もともとはアメリカ発祥のサービスで、一人分でも気楽にデリバリーを頼めたり、出前をやっていない個人店の料理を注文したりできるというメリットがあります。コロナで外出自粛やリモートワークが呼びかけられた結果、一気に日本での認知度が上がり、利用する店も人間も増えました。となると、創作の世界でもテーマにされるのがお約束というもの。今回取り上げるのは、ウーバーイーツが重要な役割を果たすミステリー、結城真一郎さん『難問の多い料理店』です。

 

こんな人におすすめ

安楽椅子探偵が登場するミステリー短編集が読みたい人

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「あいにくあんたのためじゃない」 柚木麻子

図書館に入庫された新刊の予約は、一種の戦争だと思っています。人気のある作家さんの最新刊や、映像化された話題作などは、図書館HPに新刊情報が載ると同時に予約が殺到。あっという間に何百人もの待機リストができることも珍しくありません。私はこの手の予約戦争に遅れがちなので、パソコン画面前で何度も「あーあ」とため息をつきました。

しかし、<予約人数が多い=なかなか順番が回ってこない>かというと、必ずしもそういうわけではありません。たくさん予約が入るような人気作は、図書館側も在庫を多めに仕入れる可能性が高いです。その上、たまたま読破・返却が早い人達が続けば、意外にさっさと順番が回ってくることもあり得ます。この本も、たくさんの予約者がいたにも関わらず、びっくりするほど早く手元に届き、嬉しい驚きでした。柚木麻子さん『あいにくあんたのためじゃない』です。

 

こんな人におすすめ

スカッと痛快なヒューマンストーリーが読みたい人

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「#真相をお話しします」 結城真一郎

物語を創る上で、テーマ設定はとても重要です。中には、特にテーマを決めず自由気ままに創作するケースもあるでしょうが、これは恐らく少数派。「身分違いの恋を書こう」とか「サラリーマンの下剋上物語にしよう」とか、最初に設定しておくことの方が多いと思います。

古今東西、大勢のクリエイターが様々なテーマを基に創作活動を行ってきたわけですから、その数はまさに天井知らず。となると、当然のごとく、ウケがいいテーマと、そうでもないテーマが出てきます。前者の代表格と言えば、やはり<時事ネタ>ではないでしょうか。今この時、世間を騒がせている問題をテーマにすることで、より多くの注目を集めることができます。今回取り上げる作品も、今という時代を象徴するようなテーマ選びがなされていました。結城真一郎さん『#真相をお話しします』です。

 

こんな人におすすめ

世相を反映したどんでん返しミステリーに興味がある人

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