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「合理的にあり得ない 上水流涼子の解明」 柚月裕子

私が面白いと思う作品には、名コンビが登場することが多いです。ホームズの横にはワトソン、ポアロの横にはヘイスティングズ。異なる長所を持つ二人が助け合い、自分の持ち味を活かして物事に臨む様子は、読んでいてわくわくさせられます。

最近は、パートナーが動物や悪魔など人外の存在だったり、主人公と仲が悪かったりするなど、ユニークなコンビが登場する作品もありますね。では、この作品に出てくる二人はどうでしょうか。柚月裕子さん『合理的にあり得ない 上水流涼子の解明』です。

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「錆びた太陽」 恩田陸

SF小説には、しばしばロボットが登場します。作品によって善玉だったり悪役だったりするロボット。人工知能の研究が進み、Pepperのような存在も珍しくなくなった今、ロボットは一般市民にも手の届く存在です。

ロボットが出てくる小説というと、私が真っ先に思い浮かべるのは星新一さんの短編『ボッコちゃん』です。初めて読んだ時、頭からっぽの美人ロボットが巻き起こす騒動にゾッとさせられました。同じロボットでも、今回紹介する作品に登場するロボットはちょっと違いますよ。恩田陸さん『錆びた太陽』です。

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「出会いなおし」 森絵都

人生は出会いと別れの繰り返しです。これは何も大きな出来事だけを指しているわけではありません。何気なく散歩している道にも、買い物しようと立ち寄ったコンビニにも、無数の出会いと別れが溢れています。

そして、一度別れた相手と思いがけない形でまた出会うこともあります。そんな意外な出会いを描いたのが、森絵都さん『出会いなおし』。出会いを繰り返すことの素敵さをしみじみ実感することができました。

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「秋山善吉工務店」 中山七里

「雷親父」という言葉は、今や死語になりつつあります。雷のように大声で怒鳴る、何かと口やかましい親父のことですが、今のご時世では迂闊に怒鳴り声を上げると一歩間違えれば警察沙汰。『サザエさん』に登場する波平さんのような雷親父は生きにくい社会なのでしょう。

ですが、私には雷親父が不要な存在だとは思えません。筋を通し、節度を重んじ、若者を教え導く気骨ある老人は、絶対に必要なのだと思います。今回取り上げるのは中山七里さん『秋山善吉工務店』。このおじいちゃん、かなり素敵ですよ。

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「嫁をやめる日」 垣谷美雨

寡婦、後家、未亡人。いずれも夫を亡くし、再婚していない女性を指す言葉です。日本ではこれらの女性を支援するため、税金などで優遇措置が設けられています。

その一方、一人身になった女性が直面する問題もたくさんあります。そんなの昔の話?本当にそうでしょうか。夫と死に別れた女性を待ち受ける困難とはどんなものなのか。今日は、その一例を描いた作品を紹介します。垣谷美雨さん『嫁をやめる日』です。

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「BUTTER」 柚木麻子

バターたっぷりの料理は美味しいです。最近はバターを使わず、カロリーカットした

レシピが多いようですが、それだと時々物足りなくなりませんか?どちらかと言えばあっさり系の味が好きな私でさえ、たまにはバターをふんだんに使ったパスタやお菓子が食べたくなります。

とはいえ、バターの使い過ぎにはご用心。あまりに濃厚すぎる味わいの虜となり、後々後悔する羽目になったりして・・・そんな運命に陥った女性を描いた作品がこちら。柚木麻子さん『BUTTER』です。

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「ガーディアン」 薬丸岳

いじめ、体罰、スクールカースト、試験勉強etc。学校には様々な問題が山積みです。私自身、特に中学校では、人間関係のいざこざで苦労した記憶があります。誰かがこの問題を解決し、穏やかな学校生活を送らせてくれないものかと、他力本願なことを考えたりもしました。

もしも本当にそんな存在がいたとしたら、学校はより良い場所になるのでしょうか。そんな「もしも」を描いた作品を読みました。薬丸岳さん『ガーディアン』です。

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「機長、事件です! 空飛ぶ探偵の謎解きフライト」 秋吉理香子

私は子どもの頃、夏休みや冬休みになると、飛行機で祖父母の家に遊びに行っていました。お祖父ちゃんやお祖母ちゃんと遊ぶのはもちろん楽しみでしたが、それと同じくらい、飛行機に乗ることも嬉しくて仕方なかったものです。電車やバスのように毎日乗れる乗り物とは違って、飛行機には何となく特別な雰囲気を感じていたんだと思います。

海を越えた土地同士を繋ぎ、ひとたび離陸すれば巨大な密室と化す飛行機。ミステリーの設定として、これほど魅力的なものはそうないのではないでしょうか。今回ご紹介するのは秋吉理香子さん『機長、事件です! 空飛ぶ探偵の謎解きフライト』。空の旅を味わっている気分に浸れますよ。

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「慈雨」 柚月裕子

「お遍路」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。弘法大師の足跡を辿って四国八十八カ所を巡ることで、功徳を積むために行われます。一昔前は徒歩で巡るしか移動手段がありませんでしたが、今は車やバスツアーでの移動もあるようですね。

お遍路に関する小説は色々ありますが、私が真っ先に思い浮かべるのは松本清張の『砂の器』。故郷を追われた親子が遍路する姿が印象的でした。この場面の印象があまりに強いからか、私はお遍路という言葉を聞くと、暗く悲しいものを連想してしまいます。ですが、最近読んだ小説の影響で、少し印象が変わってきました。柚月裕子さん『慈雨』です。

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「クローバーナイト」 辻村深月

家庭の在り方は千差万別。共働き世帯もあれば、片方が働いて片方が専業主婦(夫)という家もあり、母子家庭や父子家庭だってあります。そして、家庭の数だけ喜びがあると同時に、悩みや悲しみも生まれます。

当ブログでも、家族にまつわる小説をいくつか紹介してきました。たくさんの作家さんに取り上げられるということは、それだけ「家庭」というテーマが興味深いものだからなのでしょう。最近、こんな家族に関する小説を読みました。辻村深月さん『クローバーナイト』です。

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