「ジャケ買い」という言葉があります。意味は「内容を知らないCDや本などを、パッケージのみに惹かれて購入すること」。何しろ内容を知らないわけですから、まるで好みに合わない商品を買ってしまって心底後悔することもある、それがジャケ買いです。
反面、ジャケ買いした商品が予想以上の良作だった場合、その喜びは大きいです。私の場合、人生初のジャケ買いはCDで、松任谷由実さんの『THE DANCING SUN』。「Sign of the Time」「砂の惑星」「春よ、来い」といった名曲揃いで、すっかりユーミンファンになった記憶があります。もちろん、ジャケ買いした本も色々ありますが、今回はその中の一冊を紹介します。岸田るり子さんの『味なしクッキー』です。
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インターネットを通じて友達を作った経験はありますか。私自身はというと、趣味や仕事、生活環境について楽しく話せる友達が何人かいます。中には、遠く離れた場所に住んでいたり、生活サイクルが違いすぎたりするため、現実世界ではなかなか知り合えなかったであろう人もいます。そういう相手とでも友達になれることが、インターネットの利点の一つですよね。
ただ、直接会うとなると、インターネット上でやり取りするほど簡単にはいかない場合もあります。それも、オフ会などの複数名がいる場所ではなく、二人きりで会うとしたら・・・その相手に、誰にも知られたくない秘密を知られているとしたら・・・そんな不穏な状況を描いた作品があります。松本清張賞受賞作家、明野照葉さんの『25時のイヴたち』です。
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「オカルト」と「科学」、この二つは相反するものと考えられがちです。実際、その手の検証番組などでは、超自然学者と科学者が喧々諤々の討論を繰り広げていたりしますよね。漫画やドラマなどでも、上記の二者は犬猿の仲として描写されることが多い気がします。
ですが、この世にオカルトなど絶対存在しないという証明は今のところできていません。それならば、「幽霊」「呪い」といった超常現象も「人類」「進化論」などと同じように科学的に証明できる可能性だってあるわけです。一見、摩訶不思議な超常現象に論理的な解釈ができるとしたら・・・そんな面白い作品を読みました。石持浅海さんの『二歩前を歩く』です。
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子どもの頃、商店街に行くのが好きでした。本屋に文房具屋、パン屋に映画館。小さい分、従業員さんたちと会話することができ、ワクワクドキドキしたものです。今はもっと大きなデパートやショッピングセンターがあちこちにあって楽しい反面、慣れ親しんだ商店街が廃れていくのは寂しいです。
今、全国にはシャッター通りと化した商店街がたくさんあります。そこをどう再生し、人々の生活を潤すかは、テレビや新聞でしばしば取り上げられるテーマですね。そんな商店街の奮闘を描いた作品、柴田よしきさんの『ねこ町駅前商店街日々便り』。この町、行ってみたいです。
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実は私、若干閉所恐怖症の気があります。幼稚園の頃、エレベーターに閉じ込められた(実際は私がボタンを押していなかっただけ)経験があるからでしょうか。今でも、閉鎖的な空間はどうも苦手です。
様々な人間模様が生まれやすいせいか、閉ざされた状況を扱った小説は多いです。有名なのはアガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』に代表されるクローズド・サークルものでしょうか。しかし、「閉鎖空間」とは、何も物理的に移動できないことばかりではありません。移動そのものは可能でも、様々な原因により今の状況から脱することができない・・・そんなシチュエーションもあると思います。今回取り上げるのは、様々な「逃げられない」状況を扱った短編集、現役サラリーマンでもある石持浅海さんの『三階に止まる』です。
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女性同士の人間関係のもつれをテーマにした小説はたくさんあります。この手のテーマの場合、大抵はドロドロの愛憎劇になる傾向が強い気がしますね。人間関係が難しいのは男性同士、男女間でも言える話ですが、女性同士の方が「陰湿」「鬱々」というイメージがあるのでしょうか。
このブログでも新津きよみさん『女友達』、辻村深月さん『盲目的な恋と友情』などを紹介してきましたが、これらは女性二人をメインに据えた作品です。では、これが女性三人なら?「三角関係」などという言葉があるくらい、複雑な人間関係の代名詞とも言える三人組。そんな女性同士のトライアングルを描いた作品を紹介します。近藤史恵さんの『インフルエンス』です。
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ウツボカズラという植物をご存知でしょうか。東南アジアに多い食虫植物で、甘い蜜を餌に虫をおびき寄せ、壺のようになった体内に誘い込んで捕食するという習性を持っています。昔、テレビでウツボカズラの内部を調べるという企画を見たことがありますが、凄まじい数の虫を体内にため込んでいて驚いたものです。
甘い蜜をちらつかせてターゲットを誘い、食らいついて自分のものにしてしまうウツボカズラ。この生態から、ウツボカズラはしばしばフィクションの世界で「悪女」の象徴として登場します。最近の作品では、これを覚えている方が多いのではないでしょうか。二〇一七年に志田未来さん主演でドラマ化もされた、乃南アサさんの『ウツボカズラの夢』です。
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「団地」という言葉ができたのは昭和十年代だそうです。住宅や工場を計画的に一カ所に集めて建設した地区、またはそこに立地している建造物のことで、住宅団地、工業団地、商業団地などがあります。「団地」と聞くと、住宅団地を真っ先に思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
多くの人や物が行き交う性質上、団地を舞台にした小説は数多く存在します。本間洋平さんの『家族ゲーム』、久保寺健彦さんの『みなさん、さようなら』など、映像化された作品も少なくありません。一つの建物内にたくさんの人が住み、様々な喜怒哀楽が渦巻く団地は、創作のテーマとして魅力的だからでしょうね。今日は、団地に巣食う闇を取り上げた短編集は紹介します。「映島巡」名義で漫画原作やゲームノベライズなども手がける、永嶋恵美さんの『インターフォン』です。
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「OL」という言葉が生まれたのは、一九六四年のこと。週刊誌『女性自身』が公募を行って生まれた造語だそうです。五十年以上の歴史があり、今では台湾や香港でも使用されているようですね。それはすなわち、会社で働く女性がどんどん増え、社会に貢献してきたことの証でしょう。
私自身OL経験者であり、OLが登場する小説も大好きです。才色兼備のOLがイケメン相手に恋の駆け引きを繰り広げる話も、正義感溢れるOLが企業の不正と戦う話も面白い。でも、一番好きなのは、どこにでもいる平凡なOLが、幸せになるため一生懸命前進していく話です。今日は、そんなOLたちの奮闘記をご紹介しましょう。恋愛、ホラー、SFと、幅広いジャンルで活躍する篠田節子さんの『女たちのジハード』です。
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「犯罪」とは読んで字の如く「罪を犯すこと」です。テレビや新聞に目を向ければ、毎日のように新たな犯罪が起こっていることが分かります。それを見て大抵の人は不快感や恐れを感じ、同時にこう思うのではないでしょうか。「私には、犯罪なんて無関係だ」と。
ですが、犯罪とは決して遠い世界の出来事ではありません。ほんのちょっとしたきっかけで、自らが犯罪の加害者や被害者になることもありうるし、目撃者などの形で関わることもあるでしょう。今回紹介する本には、それぞれの形の犯罪と関わることになった五人の女性が登場します。辻村深月さんの直木三十五章受賞作『鍵のない夢を見る』です。
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