以前、別作品のレビューで、「<家>という場所には、人をとらえるイメージもある」と書きました。一説によると、<家>は<宀(家)>と<豕(豚)>が組み合わさってできた漢字であり、<豚などの家畜を生贄に捧げた呪法的な護りのある場所>という意味があるんだとか。どの程度信憑性がある話かは分かりませんが、もしこれが本当なら、<家>がホラーやミステリーの舞台になりやすいのも納得です。
前回ご紹介した<家>にまつわる作品はホラーだったので、今回はミステリーを取り上げたいと思います。歌野晶午さんの『家守』。この方の短編集を読むのは久々ですが、安定の面白さで大満足でした。
こんな人におすすめ
<家>をテーマにしたミステリー短編集が読みたい人