「長編小説は読むのに時間がかかる。短い時間でも気軽に読める短編小説の方が好き」という意見をしばしば耳にします。長編と短編、どちらが優れているかは決められないものの、所要時間の少なさという点では、短編に軍配が上がるでしょう。その短編よりさらに短い小説が<ショートショート>です。何をもってショートショートとするか、明確な定義はないようですが、<一ページから数ページに収まる長さであり、意外な結末を迎えるもの>という解釈が一般的なようですね。
ショートショート作家と聞いて多くの日本人が思い浮かべるのは、恐らく星新一さんでしょう。<ショートショートの神様>と呼ばれ、生涯において生み出したショートショートの数は一〇〇〇編以上。『ボッコちゃん』『おーい でてこーい』『ゆきとどいた生活』など、翻訳され世界中で読まれている作品も数多くあります。星新一さん亡き後は、阿刀田高さんや江坂遊さんが優れたショートショートを書いてくれていますが、一つのジャンルを盛り上げるためには、やはり新たな人材にもどんどん出てきてほしいもの。あんまりショートショートのイメージはないけれど、この方には期待しています。坂木司さんの『短劇』です。
こんな人におすすめ
ブラックユーモアが効いたショートショートが読みたい人