火村英生、犀川創平、湯川学、中禅寺秋彦・・・日本の小説界には、たくさんの名キャラクターがいます。物語を盛り上げる上で、魅力的な主要登場人物の存在は不可欠。『S&Mシリーズ』や『ガリレオシリーズ』がこれほど人気なのは、話自体の面白さもさることながら、上記のキャラクター達の吸引力に依るところも大きいです。
こうしたキャラクターって、実は作品が長期シリーズ化される前、短編作品にさらりと登場していることがままあります。予想以上に作者の筆が乗り、一作きりの登場で終わらせるのはもったいないと思ったのかな?それが自分の好きなキャラクターだった時は、読者としても喜び倍増です。今日取り上げる短編集には、後にシリーズ作品の主人公となるキャラクターが複数出てくるんですよ。西澤保彦さんの『赤い糸の呻き』です。
こんな人におすすめ
バラエティ豊かな本格ミステリー短編集が読みたい人