新興宗教。読んで字の如く、伝統宗教(カトリック教会、十三宗五十六派の仏教、イスラム教、ヒンドゥー教etc)と比べ、成立時期が新しい宗教のことです。<時期が新しい>という基準がかなり曖昧な関係上、国内外合わせて相当な数の宗教団体がこれに該当します。
言うまでもなく、新興宗教自体は悪でも違法でもありません。前述した伝統宗教も、成立当初は新興宗教でした。ですが、オウム真理教のテロやヘヴンズ・ゲートの集団自殺、アガドンサンの連続不審死といった事件が目に付き、新興宗教に対して懐疑的な視線が集まりがちなこともまた事実。それはフィクションの世界でも同様で、澤村伊智さんの『邪教の子』や貫井徳郎さんの『慟哭』には、怖気が走りそうなほど異常な宗教団体が出てきました。先日読んだ作品に登場する新興宗教も、読んでいて非常に胸糞悪かったです。今回は、櫛木理宇さんの『凶獣の村 捜査一課強行犯係・鳥越恭一郎』をご紹介しようと思います。
こんな人におすすめ
・新興宗教を扱ったサスペンス小説に興味がある人
・『鳥越恭一郎シリーズ』のファン