<監禁>という言葉の定義について調べると、<人を一定の区画内に閉じ込め、そこから出られない状態にすること>と出てきます。手錠やロープ等で身体を拘束することだけでなく、脅迫等を用いて脱出困難な状態に追いやることも監禁に相当するのだとか。この犯罪の特異な点は、ひったくりや通り魔的な殺傷事件と違い、犯人側もそれなりの準備や工夫を行わなければならないという点でしょう。
小説の世界で例を挙げると、秋吉理香子さんの『監禁』でも、永井するみさんの『大いなる聴衆』でも、犯人は周到な準備を行った上でターゲットを監禁していました。そういえば綾辻行人さんの『迷路館の殺人』のように、広大なからくり屋敷を使って登場人物達を出られないようにするという突飛なケースもあったっけ。先日読んだこの作品にも、狡猾な犯人による恐ろしい監禁事件が出てきました。櫛木理宇さんの『監禁依存症』です。
こんな人におすすめ
・報復をテーマにしたイヤミスに興味がある人
・『依存症シリーズ』が好きな人