降田天

はいくる

「偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理」 降田天

「用があって警察署に行ってきたよ」と言われたら、「え?警察署?何で?」と思う人が多いのではないでしょうか。では、「交番に行ってきたよ」ならどうでしょう。時と場合にもよりますが、私なら「落とし物か何かあったのかな」と軽く流す可能性が高いです。交番は警察署と比べ、生活に密着した印象がありますよね。

もちろん、交番の仕事が気楽だなどと言うつもりは毛頭ありません。交番に勤務する警察官が襲撃される事件は現実でも起こっています。また、小説でも、乃南アサさんの『新米警官・高木聖大シリーズ』や、米澤穂信さん『満願』収録の「夜景」などで、交番で働く警察官たちの苦悩や葛藤が描かれています。今回ご紹介するのは、一風変わった交番勤務の警察官が登場する小説です。降田天さん『偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理』です。

 

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はいくる

「すみれ屋敷の罪人」 降田天

子どもの頃、友達とよくごっこ遊びをしました。お母さんごっこ、学校ごっこ、レストランごっこ、スパイごっこ・・・お嬢様ごっこもその一つ。この場合の<お嬢様>は、現代でなく戦前の設定であることが多く、「お姉様、舞踏会のドレスはどうしましょう?」「馬車の用意ができましたわ」などと言い合っていたものです。子ども心に、古き良き時代の香りを楽しんでいたのかもしれません。

ドラマを作りやすいからか、そういう時代の上流階級はよく小説でも取り上げられます。太宰治の『斜陽』や三島由紀夫の『豊饒の海』など、読むと自然と言葉使いが「~かしら?」「〇〇だわ」なんてちょっと改まった風に変化していたっけ。この二つは教科書に載ってもおかしくないほど有名なので、今回は別の作品をご紹介します。降田天さん『すみれ屋敷の罪人』です。

 

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「女王はかえらない」 降田天

スクールカースト。読んで字のごとく、学校内における人気順位をカースト制度になぞられた言葉です。上位に位置する者ほど発言権が強く、下位の者はクラスの日陰者、どころか下手すればいじめの対象にもなりえます。私の学生時代にも似たような上下関係はありましたが、当時はネットなどがそれほど普及していなかった分、少なくとも校外には逃げ場がありました。今はSNSなどを使えば、最悪の場合、全世界に悪口をばらまかれる可能性もあるわけですから、つくづく怖いなと思います。

言葉自体が定着したのは割と最近なような気がしますが、スクールカーストを扱った小説は昔からありました。山田詠美さんの『風葬の教室』など一九八八年の作品ですし、二〇〇三年に芥川賞を受賞した綿谷りささんの『蹴りたい背中』も学校内での人間模様がテーマです。最近では、映画版も話題になった朝井リョウさんの『桐島、部活やめるってよ』などが有名ですね。今回は、私が読んだスクールカーストものの中でもトップ3に入るほど陰惨な作品を紹介します。降田天さん『女王はかえらない』です。

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はいくる

「匿名交叉」 降田天

インターネットって便利で面白いですよね。その場を動かず世界中の情報を知ることができるし、別世界に生きる人達と友達になることができる。私がこうして本について語ることができるのも、インターネットがあるからこそです。

でも、当たり前の話ですが、インターネットには恐ろしい部分もたくさんあります。情報の発信者も受信者も姿が見えないため、その気になれば何の責任も負うことなく人を傷つけ、貶めることができるのです。インターネットの匿名性の恐怖を描いた作品と言えばこれ、漫画や映画のノベライズ作家としても実績のある、降田天さん「匿名交叉」です。

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