私は基本的にどんなジャンルの小説も読む人間です。切なくも甘酸っぱい青春ラブコメだろうと、血飛沫が飛び内臓はみ出るスプラッターホラーだろうと、面白ければ何でもOK。そんな私が唯一、「なんとなくとっつきにくいかな」と思うジャンル、それが金融・経済小説です。根っからの文系人間のせいか、用語や世界観がなかなか頭に入ってこないんです。
ですが、面白いと感じた金融小説が一冊もないわけではありません。特に、池井戸潤さんの『半沢直樹シリーズ』と真山仁さんの『ハゲタカシリーズ』は、映像化されたこともあって世間一般の知名度も高いですね。今回ご紹介するのは、中山七里さんの『笑え、シャイロック』。もしかしたら上記の作品と並ぶ人気シリーズになるかもしれません。
こんな人におすすめ
銀行員が主役のミステリーが読みたい人

以前、別作品のレビューで、「<家>という場所には、人をとらえるイメージもある」と書きました。一説によると、<家>は<宀(家)>と<豕(豚)>が組み合わさってできた漢字であり、<豚などの家畜を生贄に捧げた呪法的な護りのある場所>という意味があるんだとか。どの程度信憑性がある話かは分かりませんが、もしこれが本当なら、<家>がホラーやミステリーの舞台になりやすいのも納得です。
ミステリーには、<主役にしやすい職業>というものがあります。高い調査能力や行動力を持ち、事件と関わる確率の高い職業の方が、物語を始めやすいですからね。たとえば刑事や弁護士、検事、ジャーナリストなどなど。探偵もその一つです。
芸能人が小説を書くケースは多いです。その際、「芸能人に小説が書けるのか」という批判が巻き起こるのはお約束。特に、その芸能人が華やかな経歴の持ち主だった場合、批判が激しくなる傾向にあるようです。
「用があって警察署に行ってきたよ」と言われたら、「え?警察署?何で?」と思う人が多いのではないでしょうか。では、「交番に行ってきたよ」ならどうでしょう。時と場合にもよりますが、私なら「落とし物か何かあったのかな」と軽く流す可能性が高いです。交番は警察署と比べ、生活に密着した印象がありますよね。
短編集の中には、<連作短編集>という形態があります。話同士が何らかの繋がりを持った短編集のことで、登場人物や場所が共通しているパターンが多いですね。いくつかの話をまとめると一つの大きな物語が出来上がることもあり、長編・短編とはまた違った面白さがあります。
社会には様々な仕事、様々な勤務形態が存在しますが、その中に<非常勤>というものがあります。簡単に言えば、労働時間がフルタイム勤務者より短い労働者のことで、単純な補助作業を行う者もいれば、法律や税制のような専門知識を駆使して働くケースもあります。非常勤労働者を使う業界・会社は多いですが、中でも一番耳にするのは教育現場での<非常勤講師>ではないでしょうか。
生まれ変わり、輪廻転生、リインカーネーション。生き物が死後に再び肉体を得てこの世に戻ってくるという考え方は、世界中に存在します。この思想を信じるか否かでは意見が分かれるのでしょうが、私自身はかなり信じている方。実際、偶然や勘違いでは片づけられない事例もたくさんあるようです。
<予言>という単語を聞いて多くの人が思い浮かべるのは、かの有名な<ノストラダムスの大予言>でしょう。<一九九九年七か月、空から恐怖の大王が来るだろう>という一文が<一九九九年に人類は滅びる>と解釈され、一時期、テレビや雑誌もその話題で持ちきりでした。かくいう私も、ハラハラドキドキしながら特集雑誌を買い求めた一人です。
小説の中にはしばしば実在した歴史上の人物が登場します。その人物が主役の話ももちろん面白いですが、個人的には、創作キャラクター主役の話に脇役として実在の人物が登場する方が好きですね。歴史に名を残す人物が、周囲の目にどんな風に映っていたか。そんな描写を読むのが好きなんです。