クローンという言葉が最初に考案されたのは、一九〇〇年代初頭のことだそうです。意味は、分子・DNA・細胞・生体などのコピー。園芸技法の一つである<挿し木>はクローンの一種ですし、動物でもマウス、犬、羊、猿などでクローンが作成されています。人間のクローンは今のところ作られていないとされていますが・・・実際はどうなんでしょうか?
現実に動物のクローンを作る場合、誕生するのは<オリジナルとまったく同じ遺伝情報を持つ赤ん坊>ですが、SF作品ではしばしば、オリジナルと年齢も容姿もそっくりそのまま同じなクローンが登場します。ただ、見た目は瓜二つでも記憶まではコピーできないとか、ものすごく残虐な性質を持つとか、何らかの形でオリジナルとの差異が生じるケースが多い気がしますね。では、この作品に登場するクローンはどうでしょう。西澤保彦さんの『複製症候群』です。
こんな人におすすめ
クローンが登場するクローズドサークル・ミステリーが読みたい人