乃南アサ

はいくる

「紫蘭の花嫁」 乃南アサ

「将来の夢はお嫁さん」・・・実際にそう口にしたり、誰かがそう言っているのを見聞きしたことはあるでしょうか。一昔前まで女性はお嫁にいくのが当然と思われていましたし(今でもそういう考えがないとは言いませんが)、最近は妊娠出産のことを考えて早めの結婚を目指す女性も増えているそうです。美しいウェディングドレスや白無垢に身を包んだ花嫁は、幸福と希望の象徴ですね。

ですが、小説の世界において、花嫁という存在は時に事件のきっかけとなり得ます。日常とかけ離れた美しさや存在感がそうさせるのでしょうか。赤川次郎さんの『花嫁シリーズ』や辻村深月さんの『本日は大安なり』などには事件に巻き込まれる花嫁が登場しますし、コーネル・ウールリッチの『黒衣の花嫁』は世界的な人気を誇る名作です。今回取り上げる作品にも、謎に満ちた花嫁が登場します。乃南アサさん『紫蘭の花嫁』です。

 

こんな人におすすめ

シリアルキラーが登場するスリリングなミステリーが読みたい人

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はいくる

「ウツボカズラの夢」 乃南アサ

ウツボカズラという植物をご存知でしょうか。東南アジアに多い食虫植物で、甘い蜜を餌に虫をおびき寄せ、壺のようになった体内に誘い込んで捕食するという習性を持っています。昔、テレビでウツボカズラの内部を調べるという企画を見たことがありますが、凄まじい数の虫を体内にため込んでいて驚いたものです。

甘い蜜をちらつかせてターゲットを誘い、食らいついて自分のものにしてしまうウツボカズラ。この生態から、ウツボカズラはしばしばフィクションの世界で「悪女」の象徴として登場します。最近の作品では、これを覚えている方が多いのではないでしょうか。二〇一七年に志田未来さん主演でドラマ化もされた、乃南アサさん『ウツボカズラの夢』です。

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「結婚詐欺師」 乃南アサ

保険金詐欺に催眠商法、振り込め詐欺に寸借詐欺・・・この世には、たくさんの詐欺が存在します。人を騙して金品を奪い、損害を与える憎むべき犯罪行為です。そして、どれだけ世が移り変わろうと、決してなくならない犯罪でもあります。

一体なぜ人は詐欺師に騙されるのか。詐欺師はいかにして人の心を欺くのか。今日は、結婚詐欺について取り上げられた本を紹介しようと思います。直木賞受賞作家、乃南アサさん「結婚詐欺師」 です。

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