小池真理子

はいくる

「墓地を見おろす家」 小池真理子

四月も残りわずかです。この春に引っ越しを経験した人は、そろそろ片づけが一段落した頃合いでしょうか。今年は引っ越そうにも業者が予約できない<引っ越し難民>が続出したんだとか。不自由した方々が一日も早く落ち着き、快適な新生活を送れるよう願ってやみません。

新居での生活には期待と不安が付きまとうもの。素晴らしい家を得たならば、新生活はより良いものとなるでしょう。でも、もしその家がおぞましく恐ろしいものだったなら・・・?この作品に登場する一家は、そんな恐ろしい家に住んでしまいます。小池真理子さん『墓地を見おろす家』です。

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はいくる

「間違われた女」 小池真理子

ストーカー。この言葉が日本で一般化したのは、二〇〇〇年前後からだと言われています。特定の相手を狙い、執拗につけ回し、心身に危害を加える。想像しただけで、身の毛がよだつような犯罪行為です。

ストーカーをテーマにした小説はたくさんありますが、国内のものでは、山本文緒さんの「恋愛中毒」、五十嵐貴久さんの「リカ」などが有名ですね。ですが、それより遥か以前、まだ「ストーカー」という言葉が定着していなかった頃に、ストーキングを題材にした作品が書かれていることをご存知でしょうか。得体の知れない相手につけ狙われる恐怖を味わえること間違いなし。直木賞受賞作家である、小池真理子さん「間違われた女」です。

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