歌野晶午

はいくる

「ブードゥー・チャイルド」 歌野晶午

生まれ変わり、輪廻転生、リインカーネーション。生き物が死後に再び肉体を得てこの世に戻ってくるという考え方は、世界中に存在します。この思想を信じるか否かでは意見が分かれるのでしょうが、私自身はかなり信じている方。実際、偶然や勘違いでは片づけられない事例もたくさんあるようです。

想像の余地が多いにあるテーマだからか、生まれ変わりをテーマにした創作物はたくさんあります。私のお気に入りは恩田陸さんの『ライオンハート』と北村薫さんの『リセット』。生まれ変わって大切な人と巡り合う奇跡に胸が熱くなりました。この二作品は、生まれ変わりの切なさや喜びを描いているので、今回は少し趣の異なる作品を取り上げたいと思います。歌野晶午さん『ブードゥー・チャイルド』です。

 

こんな人におすすめ

・生まれ変わりに興味がある人

・どんでん返しのある本格ミステリが好きな人

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はいくる

「Dの殺人事件、まことに恐ろしきは」  歌野晶午

日本には素晴らしい推理小説を書く作家さんがたくさんいます。どの方もそれぞれ甲乙つけがたい魅力を持ち、一番を決めるのは難しいのですが、幻想・怪奇分野ではやはり江戸川乱歩の名前を挙げる人が多いのではないでしょうか。私自身、学校の図書室に置いてあった乱歩作品(確か、少年探偵団シリーズ)を読み、そのミステリアスな作風にすっかり魅了された記憶があります。

現代の作品で、あの独特のおどろおどろしさを出すのは難しいかも・・・・・と思っていたところ、面白そうな作品を見つけました。江戸川乱歩好きなら、タイトルを見ただけで手に取りたくなってしまうかもしれませんね。どんでん返しの巧みさに定評のある、歌野晶午さん『D坂の殺人事件、まことに恐ろしきは』です。

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はいくる

「絶望ノート」 歌野晶午

私は文章を書くのが好きということもあり、子どもの頃から日記を書いています。昔は日記帳に、今はパソコンを使って、一日の出来事を書き留めておきます。嫌なことや悲しいことがあっても、文字にしてしまうと、不思議とすっきりするんですよ。翌日マラソン大会がある日などは、「雨が降りますように」などと、神頼みしつつ書いたものです。

でも、そんな他愛ない願い事が、本当に叶ってしまったらどうでしょうか。しかもそれが、人を傷つけるような願い事だったら?というわけで、今日はご紹介するのはこれ、新本格第一世代の一人として名高い歌野晶午さん「絶望ノート」です。

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