小説を読むことの一体何がそんなに楽しいのか。人によって答えは様々でしょうが、ラストの面白さを堪能したいから、と答える人は多い気がします。感動的なフィナーレだったり、衝撃的などんでん返しがあったり、終わったはずの恐怖が再び甦ってきたり・・・現実世界にはそんなにはっきりしたオチがない分、小説で味わいたいと思うのも当然です。
ですが、あえてはっきりした結末を描かず、解釈を読者に委ねるタイプの小説も、また違った面白さがあるんですよ。こういう物語は<リドルストーリー>と呼ばれ、古今東西、多くの読者を魅了し、いい意味で悩ませてきました。例を挙げると、岡嶋二人さんの『クラインの壺』、貫井徳郎さんの『プリズム』『微笑む人』、東野圭吾さんの『どちらかが彼女を殺した』などがあります。そんな中、インパクトという点ではこの作品に勝るものはなかなかないのではないでしょうか。麻耶雄嵩さんの『神様ゲーム』です。
こんな人におすすめ
後味の悪いリドルストーリーに興味がある人
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<身内同士が協力して(あるいは影響を受けて)事件に挑む>という設定は、バディ系ミステリの王道パターンです。刑事や探偵というならともかく、素人が謎解きに挑戦する場合、「そもそもなぜ彼らは組んで事件を追うのか→身内で信頼できるから」という理由づけがしやすいからかもしれません。
このパターンの場合、親兄弟が協力するケースって少ない気がします。私が知る限り、親子で協力し合うのは都築道夫さんの『退職刑事』、兄弟は綾辻行人さんの『殺人方程式シリーズ』くらい。あとは、中山七里さんの『TAS 特別師弟捜査員』での従兄弟、宮部みゆきさんの『淋しい狩人』での祖父と孫のように、親兄弟より少し離れた関係の方が多いように思います。親兄弟だと繋がりが近すぎる分、色々と面倒も多いからでしょうか。この作品の場合は、<叔父と甥>でした。麻耶雄嵩さんの『あぶない叔父さん』です。
こんな人におすすめ
皮肉の効いたミステリが読みたい人
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「苦しい時の神頼み」「触らぬ神に祟りなし」「捨てる神あれば拾う神あり」ぱっと思いつくだけで、神様にまつわることわざはたくさんあります。日本は八百万の神様が存在する国。身近なところに神様がいるのは、何も故事成語に限った話ではありません。
もしすぐ近くに神様がいて救いの手を差し伸べてくれたら・・・?そんな空想をしたことがある人って結構多いのではないでしょうか。でも、少なくともミステリーの世界においては、神様がさっさと犯人を見破ってしまうと物語が成立しませんよね。ですが、そんな「反則技」とも言える手に挑戦した作品があるんです。破天荒で癖のある作風ながら、その独特の世界観が根強い支持を得る麻耶雄嵩さんの『さよなら神様』です。
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