<身内同士が協力して(あるいは影響を受けて)事件に挑む>という設定は、バディ系ミステリの王道パターンです。刑事や探偵というならともかく、素人が謎解きに挑戦する場合、「そもそもなぜ彼らは組んで事件を追うのか→身内で信頼できるから」という理由づけがしやすいからかもしれません。
このパターンの場合、親兄弟が協力するケースって少ない気がします。私が知る限り、親子で協力し合うのは都築道夫さんの『退職刑事』、兄弟は綾辻行人さんの『殺人方程式シリーズ』くらい。あとは、中山七里さんの『TAS 特別師弟捜査員』での従兄弟、宮部みゆきさんの『淋しい狩人』での祖父と孫のように、親兄弟より少し離れた関係の方が多いように思います。親兄弟だと繋がりが近すぎる分、色々と面倒も多いからでしょうか。この作品の場合は、<叔父と甥>でした。麻耶雄嵩さんの『あぶない叔父さん』です。
こんな人におすすめ
皮肉の効いたミステリが読みたい人