サスペンス

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「絶対正義」 秋吉理香子

「正義のヒーロー」「正義感が強い」「正義の道を貫く」・・・どれも専ら良い意味を持つ言葉です。正義とは、漢字が示すとおり、正しく道理にかなうということ。それが悪いと言える人など、恐らく一人もいないでしょう。

でも、ちょっと考えてみてください。立ち居振る舞いすべてが正義を重んじ、ほんのわずかな不正も許さない人。正義を守るためなら、誰かの心を踏みにじっても構わないと思う人。もしそんな人と出会ったら、信頼より苦痛を感じてしまうのではないでしょうか。今日は、そんな「正義の化身」とも言える人が登場する作品を紹介します。「暗黒女子」の映画化も決まり、まさに乗りに乗っている秋吉理香子さん「絶対正義」です。

 

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「森に眠る魚」 角田光代

最初に受験をしたのは何歳の時ですか?私は私立中学を受験したので、十二歳の時です。残念ながら不合格だったものの、わざわざ家庭教師まで付けて応援してくれた両親には今でも感謝しています。

今や「お受験」という言葉はごく一般的なものとなり、早い子は幼稚園入園の段階から受験戦争に参戦します。そこで競われるのは、子どもの能力だけでなく親の熱意。今日は、お受験を機にもつれ、絡み合っていく人間模様を描いた作品をご紹介します。小説だけでなく、エッセイや翻訳など幅広い分野で活躍する、角田光代さん「森に眠る魚」です。

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「私が失敗した理由は」 真梨幸子

成功譚って面白いですよね。困難に負けず、逆境を跳ね除け、幸福への階段を上り詰めていくサクセスストーリーは、いつの世も人の心を惹きつけます。「サウンド・オブ・ミュージック」や「プリティ・ウーマン」が不朽の名作とされるのも、その辺りに理由があるのではないでしょうか。

では、失敗にまつわる物語はどうでしょう。登場人物はいかにして道を誤り、不幸になっていったのか。それだって、なかなか興味深いテーマだと思いませんか?というわけで、今日はこれです。イヤミス界の代表的作家として名高い真梨幸子さん「私が失敗した理由は」です。

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「ラストナイト」 薬丸岳

犯罪を扱った物語を読む時、一番興味を持つ点はどこでしょうか。犯人の意外な正体?複雑怪奇なトリック?私の場合、それは「動機」です。登場人物たちはなぜ罪を犯し、犯罪者になったのか。その理由に惹かれてやみません。

金や復讐、痴情のもつれなど、一目見れば分かるような理由で犯行に走る者がいる一方、どうにも不可解な理由で罪を犯す者もいます。というわけで、今日はこの作品をご紹介しましょう。犯罪をテーマにした小説を数多く手がける薬丸岳さん「ラストナイト」です。

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「結婚詐欺師」 乃南アサ

保険金詐欺に催眠商法、振り込め詐欺に寸借詐欺・・・この世には、たくさんの詐欺が存在します。人を騙して金品を奪い、損害を与える憎むべき犯罪行為です。そして、どれだけ世が移り変わろうと、決してなくならない犯罪でもあります。

一体なぜ人は詐欺師に騙されるのか。詐欺師はいかにして人の心を欺くのか。今日は、結婚詐欺について取り上げられた本を紹介しようと思います。直木賞受賞作家、乃南アサさん「結婚詐欺師」 です。

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「FEED」 櫛木理宇

『思えば、あれが運命の分かれ道だった』・・・小説や映画でよく登場するフレーズです。人生の明暗を分ける分岐点に遭遇する可能性は、誰にだってあります。

たった一つの分岐点を機に、行く先が天国と地獄に分かれてしまったら。今日ご紹介するのは、対照的な人生を歩むことになる少女達を描いた青春小説、櫛木理宇さん「FEED」です。

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「女友達」 新津きよみ

友達って大切です。それを否定する人は滅多にいないでしょう。私自身、これまで何度となく友達に助けられてきました。

でも、悲しいかな、友情とは必ずしも純粋な好意で成り立つとは限らないもの。見栄や優越感、対抗意識から成り立つ友情もまた存在します。女同士の友情の恐ろしさを描いた作品と言えばこれ、数多くのドラマ・映画の原作者としても名高い新津きよみさん「女友達」です。

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