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「盲目的な恋と友情」 辻村深月

「盲目的」という言葉を辞書で引くと、「愛情や情熱・衝動などによって、理性的な判断ができないさま」とあります。文字通り、目が見えなくなるほど強い感情。そんな感情に突き動かされて誰か・何かを思うのは、果たして幸せなことなのでしょうか。

フィクションの世界には、盲目的な愛情や友情、嫉妬心に憎悪などがしばしば登場します。良いものであれ悪いものであれ、五感を狂わせるくらい強烈な感情というのは、創作物のテーマにしやすいんでしょうね。今日は、あまりに強く恋と友情にのめり込んだ女性達の物語を紹介します。瑞々しく希望のある作風で有名な辻村深月さん。そんな彼女にしては珍しいイヤミス作品『盲目的な恋と友情』です。

 

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「娘と嫁と孫とわたし」 藤堂志津子

女性同士の人間関係は難しい。これ、色々なところでよく使われる言い回しです。女の立場から言わせてもらうと、男性同士の人間関係もけっこう難しいと思うんですが・・・とはいえ、同性ばかりが集まると、異性が混じっている時とは違う軋轢やしがらみが生じることは事実でしょう。

私はイヤミスが大好きなので、女性同士のドロドロを扱った作品はたくさん読みました。ですが、さすがに小説やドラマになるような争いなど、そうそう起こらないもの(と思いたい)。女性のリアルな駆け引きを描いた作品といえば、これなんてお勧めですよ。直木賞をはじめ数多くの文学賞を受賞し、エッセイストとしても有名な藤堂志津子さん『娘と嫁と孫とわたし』です。

 

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「クローバーナイト」 辻村深月

家庭の在り方は千差万別。共働き世帯もあれば、片方が働いて片方が専業主婦(夫)という家もあり、母子家庭や父子家庭だってあります。そして、家庭の数だけ喜びがあると同時に、悩みや悲しみも生まれます。

当ブログでも、家族にまつわる小説をいくつか紹介してきました。たくさんの作家さんに取り上げられるということは、それだけ「家庭」というテーマが興味深いものだからなのでしょう。最近、こんな家族に関する小説を読みました。辻村深月さん『クローバーナイト』です。

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