東野圭吾

はいくる

「レイクサイド」 東野圭吾

旅行、合宿、キャンプ・・・どことなく冒険の香りが漂う言葉です。日常を離れ、普段暮らしているのとは別の場所で寝起きする。子どもはもちろん、わくわくする大人も大勢いるでしょう。

日常から離れるというシチュエーションのせいか、旅行や合宿を扱った創作物はたくさんあります。世界的に有名な映画『13日の金曜日』はキャンプに来た若者たちと殺人鬼の攻防を描いていますし、高見広春さんの『バトル・ロワイアル』、群ようこさんの『かもめ食堂』、柴田よしきさんの『夢より短い旅の果て』などでは、登場人物たちは家を離れて旅に出ます。恋愛、ヒューマンドラマ、ホラーと、どんなジャンルにも繋げることのできる「旅」ですが、ミステリーならこれはどうでしょうか。東野圭吾さん『レイクサイド』です。

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「素敵な日本人」 東野圭吾

新年あけましておめでとうございます!このブログも開設して一年半を過ぎました。ここまで続けてこられたのは、お付き合いくださる皆さんのおかげです。拙い文章と内容ばかりですが、2018年もどうぞよろしくお願いします。

新しい年を迎えてすぐは何かと慌ただしく、ゆっくり読書する時間を取ることが難しいかもしれません。そういう時は、重厚な大長編より、さっくり読める短編の方が手を出しやすいのではないでしょうか。それならこの短編集がお薦めですよ。東野圭吾さん『素敵な日本人』です。

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「ある閉ざされた雪の山荘で」 東野圭吾

最近すっかりご無沙汰ですが、私はけっこう演劇が好きです。限られた舞台空間の中で、役者たちが物語を紡ぎ出す。それは、映画鑑賞や読書とはまた違った楽しさがあります。

演劇界の悲喜こもごもを扱った小説もたくさんありますね。「舞台という閉ざされた世界」「人間が別人になりきって演技する」などといった状況の特殊さが、作家の創作性をかき立てるのかもしれません。私が今まで読んだ中では、綾辻行人さん「霧越邸殺人事件」、近藤史恵さん「演じられた白い夜」などが印象的でした。その中でも白眉はこれ。数多くの賞を受賞し、国内でもトップクラスの知名度を誇る人気作家、東野圭吾さん「ある閉ざされた雪の山荘で」です。

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