折原一

はいくる

「ファンレター」 折原一

ファン。それは、特定の人物や事象の支援者・愛好家を指す言葉です。人気商売である芸能人やクリエイターにとって、ファンの存在は有難いもの。ファンなくして彼らの生業は成り立たないと言っても過言ではないでしょう。

しかし、すべてのファンが善良とは限りません。<ファナスティック(熱狂的な)>を略してできた言葉なだけあり、情熱を募らせるあまり狂気の域に達するファンも存在します。この手のファンが登場する作品と言えば、スティーヴン・キングの『ミザリー』が一番有名ではないでしょうか。あちらは長編ですし、海外小説は敷居が高いと感じる方もいるかもしれませんので、今回はもう少し手を出しやすい作品をご紹介します。折原一さん『ファンレター』です。

こんな人におすすめ

曲者ファンが登場するブラックユーモア小説が読みたい人

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はいくる

「沈黙の教室」 折原一

ちょっと寂しい話ですが、私は同窓会にほとんど出たことがありません。小学校から大学まで、仲の良い友達数名と個人的に会いはするものの、クラス全体で集まった機会は数えるほど。幹事を決めずに卒業したり、取りまとめ役だった子が遠方に引っ越したりしたことが原因かもしれませんね。

かつて同じ教室で学んだ仲間たちが集まり、旧交を温め合う同窓会。和気あいあいと思い出話で盛り上がれれば、これほど楽しいものはないでしょう。ですが、もし同窓会に集う仲間たちに恨みを抱く者がいれば?そして、同窓会に乗じ、過去の復讐を企んでいたとしたら・・・?そんな復讐劇を描いたサスペンス小説をご紹介します。叙述トリックの名手として有名な折原一さん『沈黙の教室』です。

 

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